合気柔術の原理として何より大切にしていた
“剣”の伝承を徹底解明!
剣を知らなければ、合気はわからない。
不世出の達人は、合気に“剣”を遺した。
大東流合気剣術の体系を基礎から体術展開、そして佐川先生が編んだ唯一の形「合気甲源一刀流剣術」まで、初の書籍化!
剣術から探れば、柔術・体術の秘密はここまで見えてくる。
達人佐川幸義が剣を振る、奇跡の合気はそこから生まれた!!
大東流合気柔術、合気道の原理である力を用いず相手を崩し、飛ばしてしまう「合気」の秘密が明らかに!
大東流合気柔術を剣術の視点から書かれた歴史的考察本。
著者の高橋賢先生は明治神宮の演武会などでお会いしたことがある。
私が大東流と小野派一刀流の基本を学んだ吉峯康雄先生とは昔からの知り合いだったみたい。
剣術の達人だった武田惣角先生により創始された大東流合気柔術。
理解するには剣の素養が必要なのだが、当の武田先生が使っていた剣術の具体的な内容はよくわかっていなかった。
武田先生は自身が習ったと公言していた流派以外にも当時のメジャー流派の技術にも詳しかったそうなので、他流修行者との交流など技術を相当研究していたのは間違いない。
この辺は中国の武術家も同じ。
合気は手が強いことが重要で、「手のお化け」と言われた武田先生が剣をやり込んだことによるものだった。
思い付きで教えていたとの声もある武田先生だが、この本によると技術の体系化はされていたそうなので、かなりの集中力を持った天才的な人だったのだろう。
<追記>
前書きに出てくる対柔道・相撲用の捨身技の話。
思い出すのが、佐川先生の弟子でもある保江邦夫先生がエスタニスラウ神父の武術の復元を試みたことがあり、これが捨身技だった。
この捨身技が気持ち良いぐらいのキレがあって、私の身体が空中で一回転する感じで投げられながら、思わず「お見事!」と言ってしまった。