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Guilty rabbit‘story

兎の書く物語です(´・ω・`)
自己満でやってます。

「本当、おめでとうだよ、雛咲くん。よく翡翠みたいな気難しい男の審査を通り抜けたよね。こんな堅苦しい儀式なんて本当は御免なんだけど、決まりだから仕方ないんだ、何か困ったこととかあったら全然遠慮しないで僕に聞いてね?」

獅姫が微笑みながら雛咲に話しかける。

「いえいえ、翡翠様はとても素敵な方でした、僕を受け入れていただいて本当嬉しい限りです。」

「そう言ってもらえると僕も嬉しいな。僕は一応こんなんだけど白薔薇部隊の隊長やらせてもらってるからよろしくね!」

そして獅姫は横に並んだ隊員達を紹介していく。

「こいつは雛咲くんと同じ白薔薇部隊、隊員の麗羽くん。初期の段階はいろいろわからないこと多いだろうし僕が不在にしてることとか多いから彼にお世話になるといいよ。」

麗羽と紹介された青年が強く握った拳を突き出してきた。

「よろしくなっ」

「はいっ」

雛咲は少し躊躇しつつ拳を合わせた。

すると麗羽は嬉しそうに無邪気な満面の笑みを浮かべにやっとした。

「こっちは零夜くん。黒薔薇部隊、隊員だからあまり関わることはないかも知れないけど彼は本当に戦闘に優れているからいろいろ盗む技術がいっぱいあるよ。」

零夜と呼ばれた青年はとても美しく妖艶で独特の雰囲気を醸し出している。

どこか近寄りがたい圧迫感を放っていた。

「よろしくお願いします。」

雛咲が挨拶をすると零夜は赤い瞳で睨むだけだった。

「はい、じゃあ次、朱雀くん。彼は人見知りだけど雛咲くんと同じ年だから気が合うんじゃないかな?黒薔薇部隊だからあまり仕事で関わることはないだろうけどプライベートで仲良くするといいと思うんだ。」

朱雀と呼ばれた少年もまた独特の雰囲気を放っている。漆黒の髪を無造作に伸ばしたような髪型に何かに怯えるような金色の瞳。しかしどこかあどけなさを残している小柄な少年だ。

「よろしくお願いします。」

雛咲が朱雀の俯いた顔を覗くように挨拶をする。

「よ、よろしく…」

透き通った透明感のある弱々しい返答が帰ってくるだけだったがそれでも同年代の仲間がいることは雛咲にとってとても心強いことだった。