「じゃあ僕はこれからちょっと仕事残ってるからここからは麗羽くんに頼んであるからいろいろ教えてもらってね。あと翡翠の命令だけど今日は午後からの仕事もお休みだって、久しぶりの休暇なんだから有意義に過ごすように!」
「よっしゃあああああっ!」
休みと言う単語にいち早く反応する麗羽。
「では、僕たち2人はお先に失礼します。」
朱雀はそう言うと零夜と共にその場を後にした。
「あ、それと雛咲くん」
獅姫は雛咲の肩を叩いて小声で話し始める。
「これは普通じゃありえないことなんだけど、翡翠が雛咲くんと直接個人的にお話がしたいらしいよ」
「なぜ!?」
雛咲は驚き唖然とする。
何故なら翡翠という男は滅多に顔を外に出すことはなく同じ白黒薔薇聖堂騎士団の中でも普段会うことが出来るのは獅姫だけなのだ。
他の麗羽、朱雀、零夜3人は入団当初の面接以来、顔を見合わすことはなかった。
この知識は騎士団の中では常識のことなので雛咲も耳にしていたこともあって驚くのは当然だ。
「よく分からないけどね~。今日の19時に部屋で待っているらしいから翡翠に会いに行っておいで。彼は時間に厳しいし短期な人だから時間厳守だよ。彼の部屋は分からないだろうから僕が雛咲くんの部屋に迎えに行くよ。」
「何でまた僕なんかが・・・?分かりました、その時間には自分の部屋にいるようにしておきます。ではお先に失礼します。」
「うん、よろしくね、じゃあまた後で!麗羽くん、雛咲くんのことよろしくね☆」
「うい~っす」
麗羽はウインクと共に獅姫に手を振った。