カチャカチャ・・パタン
「これでよし。」
黒尽くしの姿をした青年―折原臨也―は、満足げに微笑んだ。
さて。結論から言ってしまうとゆかりという人は、本人のようだ。
何故って?あの会話をしていた時間は5分以上。
後をつけ続けているか、本人で無い限りもう見失っている時間が経っている。
しかもゆかりは、後をつけて見ますねと言った。
つまり、後をつけていなかった可能性が高い。
だからほぼ確実に本人だろう。
そしてその少女
―面倒だからゆかりでいいや―は、『奈倉』と接触したいようだ。
書いてきた見た目についてだが
嘘の可能性はある。だが実際に同じ見た目の少女が目撃されている。
しかも、携帯を高速で打ちながら歩いているらしい。
少しは賢いのかもしれないが、
自分のことを探り続けた相手にリアルでの接触を試みるなんて無謀極まりない。
大方箱入り娘で世間知らず、プライドが高いってところだろう。
ただもしも情報隠蔽をゆかりがしているとしたら。いい玩具だ、彼女は。
「楽しみだなぁ、ゆかりちゃん♪」
まずは接触することだ。
ゆかりの目撃情報があった池袋駅前を
上機嫌な臨也は目指した。
…性格分析を微妙に間違っていたため
痛い目に遭うことを知らずに。
次の日の午後。
突然、情報が入った。
(あの屋敷から、美少女が出掛けた!)と。
書き込みがあったのは、臨也私有のチャットルーム。
ただし、ここで問題がある。
今まで見たことがない、IDとHNなのだ。
「このゆかりってもしかして…。本人の書き込みかな?」
だとしたら、凄く面白い。
「自分で美少女って…。」
とにかく釣りだろうが釣られてやる。
その後の情報を求む!と書き、臨也は大学を飛び出した。
そのちょっと前、百合香は……
「遊んでくる。SPはついてこなくていいから。何かあったら、適当に私のせいにして難を逃れてね。」
「じゃ、いってきます。」
「…いってらっしゃいませ、お嬢様。」
そうして家を出てすぐに、書き込む。
ゆかり『あの屋敷から、美少女が出掛けるのを見つけたよ!』
書き込んだのは、臨也私有のチャットルーム。
これでよし。
いらない出会い系の人も呼び寄せちゃうかも知れないけど…。マイナーな所だし、まず平気だろう。
消せばいいし、釣りにしか見えないでしょうし。
だが、多分折原臨也とかいうやつは気付くだろう。本人か関係者の書き込みだと。
書いて数分後、
奈倉『その後の情報を求む!』
と書き込みが。
「かかった…!!」
思わず笑みがもれる。
今百合香の中には、この折原臨也に対する興味と
叩きのめしたい欲望が渦巻いていた。
(第一、この私を調べるなんて失礼な。
今日はちゃんと木刀2本持ったし、襲われてもまず返り討ちにしてやる…!)
意気込みながら書き込みを続けていく。
…自分で自分を美人って書くのは恥ずかしいが、事実だからしょうがない。
チャットルーム
ゆかり『髪型はポニーテール、服は黒いワンピースでお嬢様っぽい感じでした!
あと、凄く美人だったなぁ…。』
奈倉「その後どこに行ったのか、わかりませんか?」
秘密モード 奈倉「もしここに書くのが不安でしたら、このアドレスに連絡を頂けませんか?」
秘密モード ゆかり『えっその…。』
秘密モード 奈倉「その方の情報いただければ、報酬も出しますのでお願い致します。」
秘密モード ゆかり『報酬ってwwでも楽しそうなので後をつけて見ますね。』
秘密モード 奈倉「すみません、助かります。」
秘密モード ゆかり『私のアドレスはこれです。…連絡お待ちしてます。』
ゆかり『お役に立てず、すみません』
ゆかり『では、また今度。』
奈倉「いえ、ありがとうございました。ではまた。」
――ゆかりが退室されました――
――奈倉さんは退室されました――
――現在チャットルームには誰もいません――
――現在チャットルームには誰もいません――
※百合香は、帝人たちと同い年。だから臨也は、まだ大学生。
内緒じゃなくて秘密にしました。わざと、です。
突然、情報が入った。
(あの屋敷から、美少女が出掛けた!)と。
書き込みがあったのは、臨也私有のチャットルーム。
ただし、ここで問題がある。
今まで見たことがない、IDとHNなのだ。
「このゆかりってもしかして…。本人の書き込みかな?」
だとしたら、凄く面白い。
「自分で美少女って…。」
とにかく釣りだろうが釣られてやる。
その後の情報を求む!と書き、臨也は大学を飛び出した。
そのちょっと前、百合香は……
「遊んでくる。SPはついてこなくていいから。何かあったら、適当に私のせいにして難を逃れてね。」
「じゃ、いってきます。」
「…いってらっしゃいませ、お嬢様。」
そうして家を出てすぐに、書き込む。
ゆかり『あの屋敷から、美少女が出掛けるのを見つけたよ!』
書き込んだのは、臨也私有のチャットルーム。
これでよし。
いらない出会い系の人も呼び寄せちゃうかも知れないけど…。マイナーな所だし、まず平気だろう。
消せばいいし、釣りにしか見えないでしょうし。
だが、多分折原臨也とかいうやつは気付くだろう。本人か関係者の書き込みだと。
書いて数分後、
奈倉『その後の情報を求む!』
と書き込みが。
「かかった…!!」
思わず笑みがもれる。
今百合香の中には、この折原臨也に対する興味と
叩きのめしたい欲望が渦巻いていた。
(第一、この私を調べるなんて失礼な。
今日はちゃんと木刀2本持ったし、襲われてもまず返り討ちにしてやる…!)
意気込みながら書き込みを続けていく。
…自分で自分を美人って書くのは恥ずかしいが、事実だからしょうがない。
チャットルーム
ゆかり『髪型はポニーテール、服は黒いワンピースでお嬢様っぽい感じでした!
あと、凄く美人だったなぁ…。』
奈倉「その後どこに行ったのか、わかりませんか?」
秘密モード 奈倉「もしここに書くのが不安でしたら、このアドレスに連絡を頂けませんか?」
秘密モード ゆかり『えっその…。』
秘密モード 奈倉「その方の情報いただければ、報酬も出しますのでお願い致します。」
秘密モード ゆかり『報酬ってwwでも楽しそうなので後をつけて見ますね。』
秘密モード 奈倉「すみません、助かります。」
秘密モード ゆかり『私のアドレスはこれです。…連絡お待ちしてます。』
ゆかり『お役に立てず、すみません』
ゆかり『では、また今度。』
奈倉「いえ、ありがとうございました。ではまた。」
――ゆかりが退室されました――
――奈倉さんは退室されました――
――現在チャットルームには誰もいません――
――現在チャットルームには誰もいません――
※百合香は、帝人たちと同い年。だから臨也は、まだ大学生。
内緒じゃなくて秘密にしました。わざと、です。
最近、池袋に流れている噂がある。
それは……
某巨大会社が私有するお屋敷に人が住み始めた、というもの。
このお屋敷、池袋のちょい外れにあり
今まで人が住んでる気配などまったくなかったのだ。
だからこそ、噂になる。
たとえば
亡くなった奥様が住み着いた、とか。
お忍びで羽を伸ばしている、とか。
…会社の重要人物があの家を与えられた、とか。
もちろん大学生兼情報屋をしている折原臨也の耳に
この手の噂が入らないわけが無く。
しかも、友好関係を結ぶべき人かもしれないからと
情報の注文は殺到していた。
そんな状況なのと、単純な興味からここ数日折原臨也は調べ続けているのだが。
「出てこない…」
そう、まったく情報が無い。
口コミの噂が元だが、これだけ噂になっていて
ネットに無いはずが無いのだ。
しかし現実、なにも出てこない。
そんななか、臨也は凄く楽しそうに微笑んだ。
「誰かがかくしてるんだろ?しかもこれだけ必死になって。だったら…破られた時の行動は見物だね!」
といいつつも今日は疲れたからと、寝てしまった。
・・・・・・・・
自宅のパソコンの前で。
その頃探されている当の本人、山田百合香は…
カチャカチャ・・
「ハックション!うぅ~…。誰かがまた噂したわね!?」
ご立腹であった。
「第一誰よ、こんな噂流したのは!お陰で外にも出れずに籠城戦見たいな生活じゃないの!!」
こうしている間も、パソコンと携帯のほぼ同時操作をしてのけている。
2割は自分に関する噂を消すために。
「しかも!奈倉とかいうやつが嗅ぎ回ってるみたいだし!」
8割はハッキングするために。
「やっと見つけたわ…。今度は逃さないんだから!」
そう、ハッキング以前にいつも違うパソコンから情報を集められた上
ハッキングする前にデータが消えてしまう。
追えなかったのだ、なかなか。
しかし今回は準備万端。
ここ近辺にあるネカフェ系のパソコン全てに網を張り、すぐにどこから来たのか解るようにした。
これで、かなりの確率で何処の誰だかわかる。
しかも収穫は大きかった。
あろうことか、システム整備をした直後に
・・・・・・・・・・
網の外にあるパソコンからログインしてきたのだ。
「自宅を割り出してやるわ…。」
数時間後。
「折原…?誰よこれ。てっきり会社の馬鹿連中かと思ったんだけど、違ったみたいね。」
「ここまでしても顔は分からなかったから、諦めて情報流しますか!こいつだけに。」
「接触してくるだろうしね。」
安心した途端に眠くなってきた百合香は、パソコンのコンセントを抜いた途端に寝てしまった。
それは……
某巨大会社が私有するお屋敷に人が住み始めた、というもの。
このお屋敷、池袋のちょい外れにあり
今まで人が住んでる気配などまったくなかったのだ。
だからこそ、噂になる。
たとえば
亡くなった奥様が住み着いた、とか。
お忍びで羽を伸ばしている、とか。
…会社の重要人物があの家を与えられた、とか。
もちろん大学生兼情報屋をしている折原臨也の耳に
この手の噂が入らないわけが無く。
しかも、友好関係を結ぶべき人かもしれないからと
情報の注文は殺到していた。
そんな状況なのと、単純な興味からここ数日折原臨也は調べ続けているのだが。
「出てこない…」
そう、まったく情報が無い。
口コミの噂が元だが、これだけ噂になっていて
ネットに無いはずが無いのだ。
しかし現実、なにも出てこない。
そんななか、臨也は凄く楽しそうに微笑んだ。
「誰かがかくしてるんだろ?しかもこれだけ必死になって。だったら…破られた時の行動は見物だね!」
といいつつも今日は疲れたからと、寝てしまった。
・・・・・・・・
自宅のパソコンの前で。
その頃探されている当の本人、山田百合香は…
カチャカチャ・・
「ハックション!うぅ~…。誰かがまた噂したわね!?」
ご立腹であった。
「第一誰よ、こんな噂流したのは!お陰で外にも出れずに籠城戦見たいな生活じゃないの!!」
こうしている間も、パソコンと携帯のほぼ同時操作をしてのけている。
2割は自分に関する噂を消すために。
「しかも!奈倉とかいうやつが嗅ぎ回ってるみたいだし!」
8割はハッキングするために。
「やっと見つけたわ…。今度は逃さないんだから!」
そう、ハッキング以前にいつも違うパソコンから情報を集められた上
ハッキングする前にデータが消えてしまう。
追えなかったのだ、なかなか。
しかし今回は準備万端。
ここ近辺にあるネカフェ系のパソコン全てに網を張り、すぐにどこから来たのか解るようにした。
これで、かなりの確率で何処の誰だかわかる。
しかも収穫は大きかった。
あろうことか、システム整備をした直後に
・・・・・・・・・・
網の外にあるパソコンからログインしてきたのだ。
「自宅を割り出してやるわ…。」
数時間後。
「折原…?誰よこれ。てっきり会社の馬鹿連中かと思ったんだけど、違ったみたいね。」
「ここまでしても顔は分からなかったから、諦めて情報流しますか!こいつだけに。」
「接触してくるだろうしね。」
安心した途端に眠くなってきた百合香は、パソコンのコンセントを抜いた途端に寝てしまった。