蒲生岳(828m) 只見町  東北百名山、新・旧うつくしま百名山

 

 

数日前の天気予報が代わり、6月1日(土)は晴れの予報。せっかくなので久しぶりに蒲生岳に登ろうかとヤマップで検索すると、ヒメサユリがもう満開ではないか。さらに調べると今度の日曜に山開きらしい。では山開き前に行って来ようと、只見まで車を3時間走らせ行って来た。蒲生岳は山を始めた頃に一度登った以来2回目となる。前は震災前だったので記憶は断片的で、新鮮な気持ちで登ることが出来る。

朝6時過ぎに自宅を出て蒲生岳の駐車場に着いたのは9時を回っていた。以前は小さな駐車場しかなかったが今は広い駐車場が出来ていて、もう5〜6台は駐車してあり、若い山ガールも今出ていった。車から出ると晴れていて風はなく暑さを感じた。持ってきた半袖に着替えてもいいが、この山は急登の連続。怪我防止のためそのままハーフジップの長袖シャツ一枚で登ることにした。少し国道を歩き、右手に只見線の会津蒲生駅を見て線路を渡り登山口に着く。

 

広い駐車場から蒲生岳を見上げる

 

 

この看板は昔もあったような

 

 

こんなさわやかなトイレは昔は無かった

 

 

駐車場

 

 

会津蒲生駅には黄色いハンカチがあった

 

 

会津蒲生駅

 

 

登山口に到着

 

 

山に入るとそこは真夏の様相。濃い緑が生い茂り、ほのかな草いきれが鼻に通る。見慣れない薄緑のいびつに膨らんだものがポツリポツリと足元に自生している。帰宅し調べたら、それはカタクリの実であった。まもなく道は急登となる。汗が瞬く間に額から大粒の汗が滴り落ちる。メガネに汗が落ちるのが嫌で、何度もタオルで顔を拭う。近くにピピピと鳴く小鳥とウグイスの声、遠くにキツツキが木をたたく音が聞こえる。まもなく登山道脇に今年初のヒメサユリが一輪あったが、すでに新鮮さはなく今年の花の開花時期は早いのだと気付かされた。前方遠く駐車場ですれ違った山ガール達が登る姿が見える。自分も太いロープを掴みつつゴツゴツした岩を上へ上へと足を運ぶ。岩はグリップが効いているようで足元の不安はない。振り返ると只見の街並みと遠くに残雪が微かに残る浅草岳などがそびえ絶景である。そこここにヒメサユリやウラジロヨウラクのピンクが現れるが、期待したほど多くはなかった。

 

カタクリの実

 

 

緑の世界

 

 

小さな祠があったので登山の無事を祈る

 

 

ロープが出てきましたよ

 

 

ウラジロヨウラク

 

 

お花のアップ

 

 

一枚岩の急登

 

 

フレッシュなヒメサユリ

 

 

コメツツジ

 

 

登山脇に咲くヒメサユリ

 

 

ツクバネウツギ

 

 

柴倉山のとんがり

 

 

まだ雪が残る浅草岳

 

 

駐車場が小さくなる

 

 

夫婦松

 

 

夫婦松はそんなに高くはなかった

 

 

咲き残りのヤマツツジ

 

 

鎖も出てきましたよ

 

 

やがて「ゆるやかな道」と「けわしい道」に分かれる場所に来ると先を歩いていた山ガール達が休んでいた。彼女らを抜かしやさしいルートを選ぶと一枚岩のトラバースだ。岩にかけられたロープを掴みながら足の置き場を確かめ進む。一見怖そうだが歩きやすい。鼻毛通しという変わった名前のポイントを通り、やがて「山頂まで100m」という標柱を経過する。もうそこにはヒメサユリはなかったが、鎖やロープは相変わらず上へ上へと続いている。長く感じた100mを登ると山頂に出た。そこには初老の男性のバーティーと緑の大きな捕虫網を持った若者がいた。三脚を取り出し自撮りしようとすると、若者が「撮りましょうか?」と声をかけてくれた。高校時代の自分に被せ彼を懐かしく眺めつつ、何を採っているのか聞くと、ミヤマカラスアゲハだとのこと。なるほど確かに山頂周りを数頭のミヤマカラスアゲハが舞っている。今回お湯を入れたサーモスを自宅に忘れてきて、軽食らしいものがないので、そそくさと下山を始めようとすると、その先にロープが渡されている。どうゆうことだろう。「エッ、この先は行けないのかなー」といつもの大きな独り言を呟くと、若者が「大丈夫ですよ。こっちから登ってきましたので」と教えてくれた。色々とこの若者に助けられる。「では」と言って彼と別れ登ってきたルートと反対方向に降りる。

 

「ゆるやかな道」を選択。ここで山ガールを抜かす。

 

 

一枚岩のトラバース

 

 

慎重に足の置き場を見つければ怖くありません

 

 

かっこいい形の柴倉山

 

 

鼻の通りがスース―しそうな名前のコース

 

 

鼻毛通しに寄り道

 

 

鼻の穴のような形

 

 

ふむふむ

 

 

山頂直下に風穴あり。涼しい風が出てました。

 

 

中央奥は何の山?

 

 

遠く残雪が残るのは越後駒と中ノ岳

 

 

登頂

 

 

三角点にタッチ

 

 

古くなった山座同定図

 

 

山頂から眺めた風景

 

 

このロープをまたいで降りることにしました。きっと明日の山開きに向けてロープを張ったのかな?

 

 

只見川が緑の澄んだ水を湛え、鋭く立つ山に行く手を阻まれたかのように、大きく湾曲している風景を見ることがてきる。この風景も素敵だ。間もなくほぼ垂直に下る場所が出てきた。かすかに記憶にあったがこんなに長かったかなと思う。体を後ろ向きにし、鎖を片手で持ち、片手、両足でしっかり岩を確保しつつ3点確保を意識して降りてゆけば怖くはない。長い崖を降りても少し急な坂はあるが大したことはない。こちらのルートはヒメサユリが一輪もなかった。

 

山頂を振り返る。若者が緑の補注網を振って蝶を採っている。

 

 

鷲が倉山と只見川。この景色が今日一。

 

 

出ました。崖状の下りの始まりです。

 

 

アカモノ

 

 

ふたたび激下り

 

 

途中で頭上を見上げる。ここを降りてきました。

 

 

ギンリョウソウ

 

 

この日初めて広い場所に出た。ここから山の中に入ります。

 

 

途中から尾根をそれ、山中に入ってゆく。眺望はなくなり一面緑の中に入ったかのようだ。人もいないので熊鈴をつける。昨日の雨のせいか濡れた石が滑りやすい。一度木の根に乗って滑って転びかけたのでストックを取り出す。時々開けた場所もあり見た記憶がない花が群生していた。ムラサキサギゴケと言うらしい。登りはひたすら登るルートだったが、この下りのルートは多少のアップダウンがあり歩きごたえがある。やがてカタクリの実が多く出てきたら登山口は近かった。

 

開けた場所に出た。ワラビが沢山あった。

 

 

サギゴケ?の群生

 

 

お花のアップ。初めて見たかも。

 

 

沢?川?が見えてきた

 

 

カタクリの実

 

 

登山口に出る

 

 

会津蒲生駅

 

 

駐車場には気になる建物がある

 

 

入ってみた。無人の観光案内所になっていた。

 

 

駐車場に戻ると汗でびっしょりとなった長袖シャツを脱ぎ着替え「湯ら里」へ向かった。温泉を独り占めし、只見町の食堂で腹を満たし、道の駅きらら289でトマトソフトクリームを食べる。相変わらず空は青かった。

 

湯ら里で温泉

 

 

道の駅きらら289でトマトソフトなるものを頂く(400円)

 

 

                 -完-