高籏山(968m)郡山市、新・旧うつくしま百名山

 

 

 

3日間続いたこの冬一番と言われた寒波が過ぎた。その翌日は久しぶりのジョギングで17km走った。

2日後の日曜、朝起きると曇天の空からチラチラ雪が降っていた。登山をどうするか一瞬躊躇したが、山行が短いので、準備したリュックを車に詰め込み自宅から近い高旗山に向かった。

登山口までの林道は寒波での積雪があったが、すでに車が通ってワダチとなっていたので、少し不安感を抱きながらも突き進むことができた。所々車の腹が雪を擦る箇所もあったがなんとか登山口駐車場まで行くことができた。1台もない駐車場の隅に車を停めて入山する。

 

駐車場に車を止める

 

 

この高旗山は昔一度だけ登ったことがあったが、すでに記憶から抜けていた。ただ覚えているのは山頂でジ様バ様が食事をしていて、山頂標識か三角点かが写真に撮りづらかった記憶があった。

まずはグレーの鳥居をくぐるといきなり積雪が深くなる。数人の足跡があったので足跡を辿るようにツボ足で登ってゆく。深さはスネくらいまである。せっかく簡易スノーシューを持ってきたので途中でスノーシューを履く。足跡は途中で切れてそこから先はノートレースとなる。深くても膝くらい沈む場所もあったものの、全体的にはスネくらいの深さで、先日のグランデコスキー場のようなラッセルをすることはなかったので安心だ。耳に入るのはギュッギュッと雪を踏みしめる音と自分の呼吸だけ。小鳥の声も少ない。チラチラと頭上から雪は降るが積もるほどではなく、風がないのが幸いだ。

 

鳥居をくぐって入山

 

 

人の足跡の上を歩きます

 

 

トラバースのような場所もあり

 

 

簡易スノーシューを履くと少し速度が速くなった

 

 

途中からノートレース

 

 

雪が溶けている場所があった。そこは水場であり、グローブを外して素手で水をすくうとそんなに冷たく感じなかった。

ウサギの足跡と、もうひとつはキツネの足跡だろうか。2つの動物の足跡があり、キツネの足跡は自分の行く先を案内しているかのように登山道の先まで続いている。

その足跡を辿るように緩やかな坂を登る。一度スノーシューが雪下の何かに当たり転倒した。足元を見ると石の階段のようだった。小さな札で「参道」と書かれた木の板が登山道脇の木の幹にあるので、そこは登山道であり、石の階段の参道でもあるのだろう。山頂に向かう途中で、小さな祠とそれとは不釣合な神社名が書かれた大きな標柱が現れた。ここまで来られたことの感謝とこれからの無事を祈願し手を合わせる。

 

水場。凍っていません。

 

 

振返って自分の足跡

 

 

ウサギの足跡

 

 

少し明るくなったがすぐに厚い雲に覆われた

 

 

このような立て札が3つくらいあったが、何が書かれているのか分かりません。

 

 

登山道が雪庇のような形になっていた

 

 

キツネの足跡?がずっと先まで伸びている。まるで自分を案内しているかのよう。

 

 

神社?に着いたみたい

 

 

干支の置物

 

 

今年は辰年

 

 

立派な標柱。宇奈己呂和気神社(うなころわけじんじゃ)というらしい。

 

 

山頂か?

 

 

登山口から歩くこと1時間30分くらいでようやく山頂に着いた。山頂は雪が殆どなかった。

きっと風に飛ばされるのであろう。山頂からは近くの山々が薄ぼんやりと山裾の輪郭が見えるだけで、遠くの猪苗代湖や磐梯山は全く見えなかった。

 

山頂に到着

 

 

三角点にタッチ

 

 

近くの山がうすボンヤリと見えるだけ

 

 

今回山頂でやってみたいことがあった。それは大福にお湯を注いでお汁粉を作ることだ。

前日のジョギングで聴いていた「山カフェ」というNHKラジオの中でゲストの女性が話していたの聞いて早速試したかった。

大福をリュックから出した時、山頂で自撮りをするのを忘れていたことを思い出した。

ここで三脚を準備しどこで撮ろうかと小さな山頂を少し歩いてみたら、うっすらと積もった雪の下に大きめの板があるのに気付いた。板を拾うとそれは山頂標識だった。山頂に着いた時、標識が見当たらなく拍子抜けした。まぁそんな里山もあるので受け入れていたが、まさか標識が飛ばされていたとは。標識に付いた雪をグローブの手で払い三角点まで向かい、そこに立っているかのように片手で標識を持ち自撮りした。

 

標識を持って自撮りする

 

 

まずは良かったとリュックを置いたところに腰を下ろし大福汁粉を作ってみた。コップに大福を入れ熱湯を注ぎスプーンで大福を潰す。いい塩梅で飲んでみたらお汁粉がヌルイ。お湯は熱いので、きっと自撮りしている間に大福がキンキンに冷えたのだろう。口直しに、熱い抹茶オレを作って飲むと少し体が温まった。寒いので長くは山頂におれず20分くらいで下山を始めた。

 

お汁粉の作り方 ①、熱湯と大福とコップを準備

 

 

お汁粉の作り方 ②  コップに大福を入れる。

 

 

お汁粉の作り方 ③ コップに熱湯を注ぎグチャグチャと混ぜるべし。

         大福がキンキンに冷えていたらしい。ぬるかった。

 

 

お口直し

 

 

山頂を去るとき少し周りの山々が見えていた

 

 

少しすると空から太陽がのぞき、森の中が明るくなる。山頂に引き返す元気はなくそのまま下る。

太陽の明るさはとても不思議で、心の中も明るくなる。誰もいない雪の森では、曇天の下では畏れや不安が付きまとうが、太陽が出るとそこは幻想的に見え。柔らかな気持ちに包まれる。そんな気持ちの良い気分でフワフワッと40分くらいで降りてこられた。

 

雲が薄くなったようだ

 

 

自分の足跡をたどって下山

 

 

日差しが差してくると心まで晴れやかになる

 

 

登山口の鳥居が見えた

 

 

慎重に車を走らせ林道入り口まで来ると道の脇に何やら標識があった。車から降りて標識を見ると「大雪のためこの先関係者以外立ち入り禁止」とあった。とりあえず何事もなくてよかったよかったと帰宅した。

山行時間は短かったが両大腿部が疲れていて、こんな雪山歩きもたまにはいいもんだと納得しながら自宅の風呂で体を温めるのであった。

 

                  -完-