スタッフたちはややあって、「BGMは使っていません、そう言ってきたのはお客様で3人目です」と答えました。先日も若い男性が「お経のBGM流してます?」と聞いてきたとか。

 伝承園はカッパ淵とセットにして、遠野に来たら誰もが必ず寄るようなスポットです。私が行った時も平日なのに、幅広い年代層がそこそこ来園していました。客寄せで「ヤラセ」をする必要などありません。

 

「お客様、霊感ある方ですか?」

以前書いた記事の通り、

無くは無い。ただし、はっきり見たり聞いたらしきことは1回だけ(それも半分寝ている状態)です。

 スタッフさんいわく、この家に「何かいる」のは間違いない=無風なのに糸車が勢いよく回ったり、飾りが揺れているのを何回も目撃したそう(それが下の写真のお部屋)。「たぶん、座敷わらしさんです」とも。


謎の声は、このオシラ堂へ向かう途中の廊下で聞こえました。

このオシラ堂は、いろんな念がこもっている感じで、一人で見るとかなり怖かったです。

 

 私が聞いた声は、おばあさんにしては澄んだきれいめの声(だから「プロ?が作ったBGM」と思った)で、不気味とか恐ろしさは感じませんでした。

「真昼間だし、悪いものではないと思うんですよね」と私。

 今年5月頃から突然起きたそうなので、「その頃、この家かオシラ堂に関係した方が亡くなったのでは?」と私なりの分析をお答えしておきました。

 

 その後は駅近くにある、とおの物語の館へ。『遠野物語』で有名な民俗学者・柳田國男に関する展示館と、毎日3回行う民話のお話会が目的です。私は以前から柳田に興味があって、拙著『しんきゃう伝』

 

の冒頭にも彼の逸話を入れたぐらい。なので、ここも楽しみにしていました。

 

柳田が遠野で常宿にしていた高善旅館も、移築されています。見ごたえありました。

 

地元のお年寄りが語るお話会では、オシラサマを含めて4本のうち、特に心に残ったのが遠野の某お堂にまつわる話です。囲炉裏を囲んで、方言で聞くお話はしみじみと良かった。時間が合えばぜひどうぞ(予約や別料金は不要)。

 

とおの物語の館に近い新里豆腐店で、地元で人気の「立ち食い寄せ豆腐」150円をいただきました。器は私物のタッパーですが、お皿も貸してくれます。甘みとうまみが濃厚で、近所にあれば毎週買いたいぐらい!パック豆腐2個分ぐらいあり、一度では食べきれません(こういう時のために、私は旅行にタッパーを持っていくんです)。

 

私にとって初めて訪れた遠野は、確かに「不思議の世界」でした。

 伝承園で聞いたあの声が「本物」だとしたら、①多少でも霊感がある ②自分以外に誰もいない 状況でないと、おそらく聞こえないと思います。複数人でワイワイ行ったらダメだと思う。ただ真昼間、あんなにハッキリと聞こえてきたのが「人ではない」なんて、今でもちょっと信じられない・・・。「タネ明かし」されてもいいんですけどね。

 

この後は、盛岡経由で八戸へ移動し宿泊。

 

余談ですが、アニメ映画『河童のクゥと夏休み』を未見の方はぜひ。この中に出てくる遠野の風景描写もステキですよ。ストーリーは大人でも泣ける。カッパを好きになれます。