ある朝の出来事 ① からの続きです



Oさんの家の前についた。

インターフォンを何度か鳴らす。




「デイさん、待ってたで!!ドア開けてや。」

Oさんのご機嫌な声がきこえた。



ドアを開けると、おしゃれな服をきてベッドに座っているOさんが見えた。

デイさんではなく、CMがあらわれたことに

ちょっとびっくりした様子だった。



CMのこよか が自宅に来た理由を説明すると

Oさんは人懐こく笑って


「テレビをつけて、うとうとしていたんかなあ・・・
 デイさんには、トイレに行ってたというとくれな。
 待っとるから、はよ、迎えにきてやって連絡してや。」



ああ、いつものOさんだ。
本当に何もなくてよかった・・・



Oさんは事情があって、奥さんや子供さん達と絶縁状態だ。

そして、家の鍵をあずけていた友人も今は入院中だ。



もし、訪問した時、Oさんと連絡が取れなかったら・・・

身寄りとは連絡がとれないのであれば、すぐに、市役所の相談し

レスキューを呼ぶことになっただろう。

そして、レスキュー隊が、窓をわり、家の中に入っていただろう。

その時、Oさんの意識があるかわからないが。


今回は、何事もなかった。

でも、次はわからない。

家の中でたおれていて、命の危険性があるかもしれない・・・

一刻をあらそう場合かもしれない▪▪▪


今後、同じようなことがあった時

どのように対応していくとよいのか?

Oさんはどうしてほしいのか?


レスキューを呼び、窓をわって自宅の中にはいるのがよいのか

それとも、他の方法を検討する

例えば、支援者と本人だけがわかる安全な場所に鍵をおき

すぐに支援者が家の中に入れるようのする

信頼できる第3者をつくる

固定電話を取りつけ、市の緊急通報装置を設置し

助けを呼べるようにするetc▪▪▪



今までも、何度も緊急時はどうするのか

問いかけてきた。



でも、いつも話を詰めようとすると、Oさんは

「そんなことおこるかなあ?あんた助けてくれるやろ。」

「窓をわるのも嫌やし、困ったなあ。どうにかしてな」

「固定電話は、毎月お金はらわなあかんやろ。
 そんなお金無いしな。こよかさん、払ってや。」

と話が進まなかった。


このままだと、緊急時は

Oさんの命を守るために

市に相談しながらレスキューを呼ぶ。

窓をわるのは嫌というOさんの希望はかなわない。 

時間がかかり、助かる命も助からないかもしれない。



Oさんも92歳。

持病もあり、何があってもおかしくはない。

何を選ぶのかは、Oさん、あなただよ。

でも、心配しないで。

どの選択がOさんにとって、一番良いかは、一緒に考えますよ。


だから、今度こそ話をそらさないで、真剣に考えましょう

年明け早々に、訪問しますね🎵



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