もう5,6年前になりますが、大学時代に学生寮のルームメイトだったK君からオサバグサの大群落の話を聞いて以来、いつかは訪れてみたいと思っていた帝釈山にやっと登ることができました。
登り始めはゴゼンタチバナがお出迎え
南会津に位置する帝釈山とその隣にある山上湿原で有名な田代山に登るためのアプローチはちょっと不便なのです。
公共交通機関は使えないので車で行くしかありません。
オサバグサの花期は例年6月中下旬。
今年もダメかなあ、と思っていたら登山ガイドをしているA君から「予定していた山が悪天候でキャンセルになったので行ってもいいよ。」との返事が。
田代山への登りから眺める日光連山
ラッキー!
では計画を立てましょう、ということで梅雨の晴れ間を狙って出かけてきました。
久しぶりの車中泊ではほとんど眠れずに一夜を明かし、早朝に登山口へ車で移動しました。
今日一日の好天を約束してくれるかのように朝から明るい日差しが降りそそいでいます。
コイワカガミはいつ見ても可憐です
登り始めて約1時間ほどで小田代に到着。
小さな湿原ですが、早くもタテヤマリンドウやヒメシャクナゲ、ミツバオウレン、コイワカガミなどが咲き誇っています。
この辺りからお花に見惚れて足が前に進みません。
タテヤマリンドウがたくさん咲いてましたよ
ヒメシャクナゲとは尾瀬以来の再会です
小田代を過ぎて田代山への最後の登りを越えるとそこには広大な山上湿原が広がっていました。
そして二列に続いている木道のはるか先には豊かな残雪を戴いた会津駒ヶ岳のたおやかな姿が続いています。
これは感動ものです。
やっぱり来てよかったなーって心から思える瞬間でした。
この風景に出会って感動しない人はいません
昨年訪れた苗場山のスケールには及ばないものの田代山の山上湿原も素晴らしいです。
ちょうどお花の時期にぶつかったので幸運でした。
木道の隙間にはチングルマが・・
こんなに素晴らしい山ならもっと前に登っておくんだった。
この先、帝釈山方面はどうなんだろう。
弘法大師堂を兼ねた避難小屋を過ぎて帝釈山方面に足を踏み入れた途端、真っ白な小さな花をたくさん付けたオサバグサの登場です。
帝釈山の山域に入ったとたんの出現に驚きました。
オサバグサとは感動の初対面
ここから先、帝釈山の山頂に着くまでずっとオサバグサが登山道の脇に咲いてくれていました。
何しろ50年以上に及ぶ山歩きで初めてお目にかかる希少なお花なので感動のしっぱなしです。
オサバグサやムラサキヤシオ、シャクナゲなどを鑑賞しながらあっという間に帝釈山に到着。
山頂からは日光、那須、越後、会津などの名だたる名峰を眺めることができます。
先月にアイゼンで悔しい思いをした燧ヶ岳も指呼の間に望めます。(あ、また思い出しちゃった。)
悔しい思いをした燧ヶ岳もすぐそこ
さて、ここからは往路を引き返します。
帰りの田代山は山上湿原の南半分を回ります。
ちょうどチングルマが最盛期を迎えていて湿原全体を埋めつくす勢いで咲いていました。
いろんな山でこの花を見かけますが、これほどビッシリと咲き誇っているのを見るのは初めてかも。
チングルマの大群落には圧倒されました
登山口から往復10km足らずの山歩きでしたが、念願が叶い心に残る山行になりました。
リタイアして心と時間に余裕ができたからこそ訪れることのできた山です。
8月からまたまた仕事に就くことになったので、これからは簡単には山に行けないと思うとちょっと憂鬱な気分になっているNobです。











