紅葉が見頃を迎えている奥多摩を訪れました。
奥多摩の峠で一番有名なのは風張峠。
道路標高としては、東京で最も高いところを走る峠なんですからね。

かくいう私は初見参です。
風張峠を囲む周りの山々には高校時代から数え切れないほど登っていますが、風張峠は初めてだなあ。


そもそも奥多摩主脈の山々にクルマで来ようとは思わなかったなあ。若い頃は。
ましてや自転車でなんか、とてもとても・・(笑)

私が高校生だった頃には奥多摩周遊道路なんか存在していなかったし。
奥多摩主脈の最高峰である三頭山に登る場合は、秋川側では数馬から、また奥多摩側では奥多摩湖からそれぞれ3時間以上かけて登るのが普通でした。
ところが今ではこの道路を使えば標高994mの「都民の森」からわずか1時間ちょっとで登れる山になってしまいました。
還暦世代の私めにとっては良いのか悪いのか?
うーん、ちょっと複雑な気持ちです。

 

さて、今回はハイキングではなくてサイクリングです。
アプローチはJR五日市線の終点である武蔵五日市駅がスタート地点。
ここからゴールの風張峠までは地図では約32kmほどあります。
標高差(約1,000m)から考えて、私の脚力ではたぶん2時間はかかるだろうなあ、と予想しましたが、さて結果はいかに?

 

走ったコースとプロフィールマップを表示する

 

出だしは檜原街道沿いに五日市の市街を走ります。
トラックもいるけど道幅が広いので比較的安全に走ることができます。
駅前から約2.3km地点の戸倉交差点にあるセブンイレブンがたぶん最後のコンビニでした。
ここから先には小さなお店などはありましたが、あまり期待できないのでここで十分な補給をすることをお勧めします。

 

 紅葉が美しい秋川渓谷

さらに走るとスタートから約8.5km地点にある檜原村役場で道が左右に分岐。
数馬方面へは左の南秋川沿いに檜原街道を進みます。秋川渓谷は紅葉が始まっていました。
ちなみに後で知りましたが、この檜原村役場前から風張峠までの約23.4km(標高差884m)がヒルクライムTTのコースになっているみたいです。
私はトライしませんが・・(笑)

分岐を過ぎるとだんだん山の中に入っていく感じになります。
若い頃、浅間尾根を歩くと下山路がだいたい南秋川で、このあたりに下りてきました。
「人里」と書いて「へんぼり」と読みますが、このあたりの集落には思い出がたくさんあります。
まさか、檜原街道を自転車で走るようになるとは、若い頃には考えもつかなかったなあ。
人里で標高約500mですからあと600m以上上らなければなりません。
山間の集落と南秋川渓谷の紅葉を楽しみながらゆっくりとペダルを回しました。

 

 数馬の集落にて(公衆トイレあり)

やがて、バス終点の数馬に到着。
ここには公衆トイレもあってハイカーやサイクリストの休憩ポイントにもなっています。
鄙びた感じがなくなり、こぎれいな雰囲気に変わった数馬。
昔に比べるとずいぶん垢抜けたなあ。

 

ここからいよいよ本格的な登りが始まります。
時々、TTに挑戦しているらしい若者が必死の形相で追い抜いていきます。
当方は写真を撮りながらのマイペース走行。
「がんばれよー!」と心の中で応援して若者たちを見送りました。

 

 奥多摩周遊道路の旧料金所跡(本格的な上りの開始です)

奥多摩周遊道路の料金所跡を通過すると勾配も10%を超える箇所が現れて、アラ還オヤジには辛い区間が続きます。
そのかわり周囲の風景はぐっと良くなって紅葉に彩られた山岳景観が広がってきます。
今日のお天気は残念ながら曇り空です。しかも夕方からは雨模様とか。
それでも紅や黄色に染まった樹々の眺めが疲れた体を励ましてくれました。

 

 上るほどに紅葉に彩られた山々が近づきます・・

 

勾配がゆるくなり山頂エリアの一角に近づくと「都民の森」に着きました。
ハイカーやバイクツーリングの若者達で賑やかな雰囲気に包まれています。
ここはパスして先を急ぎます。

 

 展望台からは奥多摩の山々が指呼の間に望めます

 

やがて平坦な場所に展望台があったので、てっきりここが風張峠だと思って休憩をとりました。
大岳山や御前山など奥多摩主脈の山々が指呼の間に望めます。

 

 女性的でおおらかな山容の御前山も間近に・・

紅葉も美しく、やっぱり来てよかったなあと思った場所です。
でも、峠を示す標識がありません。
付近にいた自転車乗りの方に聞いたら「ここからあと1km位先に道路標高点の標識があって、皆さんそこを風張峠って言ってますよ。」とのこと。
なんだあ、そうだったのかあ。ということで再び自転車に乗って先を急ぐと、ありましたー!
「東京で一番高い道路 標高1,146m」の標識が。(ページ一番上の写真です。)

ふー。
ところで、駅前から風張峠までの所要時間はというと、1時間57分でした。
うむうむ、予想どおり?約2時間かかりました。
コースの時間見積もりも、少しずつですができるようになってきました。
今年はヒルクライム的なコースを結構走ってきたので、その成果が出てきたかな?

 

 下りはじめも良い感じの紅葉が目を楽しませてくれます

さて、下りは奥多摩湖に出て青梅まで走り、二ツ塚峠を越えてスタート地点である武蔵五日市駅に戻るコースです。
下り始めは紅葉の美しさに目を奪われて何度も立ち止まりました。
下る途中からは奥多摩湖の湖面も眺められ、ずいぶん高いところまで来たもんだなあ、と納得。
風もなく穏やかな空気をきって快調に下りました。

 

 こんな感じの紅葉が続いていました

 眼下には奥多摩湖の湖面が光っていました

湖面に着いたら右折して湖沿いに小河内ダムを目指します。
ここは昨年の5月以来です。
波がぜんぜん立っていないため、渡ってきた三頭橋や深山橋が湖面に映り、目を楽しませてくれました。
快晴ならさぞや美しいだろうなあ。

 

 奥多摩湖畔にて

長い大麦代トンネルの通過をきらってトンネル手前を右折し、ダムサイトで休憩。
ここで武蔵五日市のコンビニで買ってきたあんパンを食べました。買っておいて正解でした。コンビニはこのあと奥多摩駅前までありませんから。

このあと道はいくつものトンネルが続いて気を遣います。
下り基調だから良いですが、逆コースの場合はいやだろうなあ。

 

トンネルの連続区間が終わったら吉野街道沿いに青梅を目指しました。
このあたりも奥多摩ハイキングの際に何度も歩いたところで、土地勘はバッチリです。
車道を歩くと長く感じたものですが、自転車ならあっという間に景色が変わります。
ロードバイクってすごいですね。改めて感じました。

 

青梅に来たら右折して、二ツ塚峠の登りに入ります。
二ツ塚峠は日の出山から梅ヶ谷峠を経て続く尾根の末端に控える小さな峠です。
小さな峠ですが、ここまでずっと下り基調で走ってきた体には結構きびしい登り坂でした。


峠に立って一息入れていたら、脇の藪の中から1台のMTBが下りてきてびっくりしました。
どうやら日の出山方面から下ってきたらしいです。
こんな道なきところも走ってくるなんて感心しました。

 

 二ツ塚峠の最高点にて(切り通し状になっていました)

さて、ここからは再び下り坂が続きます。
五日市の市街に入り程なくしてスタート地点の駅前に到着しました。
お天気も保ってくれてまずまずのサイクリング日和でした。

 

【感想】
風張峠にはもっと早く訪れるべきでした。
なぜなら、この峠を越えて鶴峠や松姫峠、さらには柳沢峠にも足をのばすことができます。
今回、上ってみて距離感や所要時間がわかったので、これからは風張峠を起点にいろいろなコースを走ってみたいです。
どのコースもみなハードなヒルクライムになりそうですが。
あとは加齢との勝負ですね。(苦笑)

 

 奥多摩渓谷の紅葉風景

GPSログ解析

開始日時 2011/11/05 09:14:12 終了日時 2011/11/05 14:04:54
水平距離 88.54km 沿面距離 88.67km
経過時間 4時間50分42秒 移動時間 4時間11分15秒
全体平均速度 18.3km/h 移動平均速度 21.2km/h
最高速度 51.6km/h 昇降量合計 3179m
総上昇量 1601m 総下降量 1578m
最高高度 1168m 最低高度 169m