事故の検証等が一段落するまではなかなか次の山行への意欲が湧いてこない、というのが正直なところですが、救助隊の訓練活動だけは例外だとみずからに言い聞かせ参加してきました。

4月を過ぎたとはいえ上越の山々はまだまだ冬の装いを色濃く残しています。初日はみぞれ混じりの氷雨が、そして翌日は朝から雪の洗礼を受けました。

 

雪山における本格的なチームレスキューの実践訓練は私にとっては初めての経験です。
負傷者を梱包してスケットストレッチャー(樹脂製の移動担架)に収容し、1チーム7,8名で4ピッチ引き上げ、下りは2ピッチで一気に引き下ろすという想定で訓練をしました。

あらかじめ各ピッチ毎の引き上げ方法(1/2法、1/1法、1/3法etc)を意思統一しておいたにもかかわらず、いざ実施の段になると中途半端な理解力で臨んだため、頭が真っ白になって混乱してしまいチームとしての機能的な動きがまったくとれませんでした。

救助システムとそのための個々の技術は、何度も反復して訓練し地道に身につけていくしか方法がないのかも知れません。
 

普段なら普通にできる基本的な技術も、緊急時になるとどうしても慌ててしまい満足にできなかったことは2週前の事故で身をもって経験したばかりです。
どこまでできるか自信はありませんが、今年一年はレスキュー技術を目的意識的に身につけてみようと思いました。

いろいろと反省することしきりの訓練でしたが、「反省点があるということは必ず解決への道筋が見つかる」という講師の方の激励を胸に残雪の谷川連峰を後にしました。