関西人が、百田尚樹という名前を聞いて何を連想するか。
「探偵ナイトスクープ！」だろう。
そんな百田氏の作家デビュー作を、飛行機の中で読了した。
- 永遠の0 (講談社文庫)/百田 尚樹
- ￥920
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以下、紹介文を掲載。
「日本軍敗色濃厚ななか、生への執着を臆面もなく口にし、仲間から「卑怯者」とさげすまれた
ゼロ戦パイロットがいた…。
人生の目標を失いかけていた青年・佐伯健太郎とフリーライターの姉・慶子は、太平洋戦争で
戦死した祖父・宮部久蔵のことを調べ始める。
祖父の話は特攻で死んだこと以外何も残されていなかった。
元戦友たちの証言から浮かび上がってきた宮部久蔵の姿は健太郎たちの予想もしないものだった。
凄腕を持ちながら、同時に異常なまでに死を恐れ、生に執着する戦闘機乗り―それが祖父だった。
「生きて帰る」という妻との約束にこだわり続けた男は、なぜ特攻を志願したのか?健太郎と慶子は
ついに六十年の長きにわたって封印されていた驚愕の事実にたどりつく。
はるかなる時を超えて結実した過酷にして清冽なる愛の物語。」
少しでも興味を持った方は是非読んで欲しい。
勿論小説なのでフィクションなのだが、太平洋戦争の史実をベースにしており、これはリアルでは
ないか、と錯覚してしまう。
本を読んで、「感動する」ということはほぼ経験がなかったのだが、今回、初めてこみ上げてくるもの
を感じてしまった。
右翼でもなければ左翼でもない。この小説はそういうステレオタイプのイデオロギーを越えた力を
持っている。
余韻がこれだけ残る小説を、他に知らない。
私にも家族がいるのだが、どうしても自分の身に置き換えてしまうせいか、家族持ちの方は特に
グっと来るかもしれない。
珠玉の小説だと思う。
では、また。