不妊検査において排卵しているかしていないかを調べることは非常に重要です。

 

 

排卵の有無は基礎体温表を見ればわかりますが、うまく測定できていなかったり、基礎体温を付けていない方もいらっしゃいます。

 

 

また不妊治療ではタイミング法人工授精を行う上で、排卵の時期を特定しないといけませんので、不妊検査で排卵の有無を見るときは経膣超音波検査尿中LH測定検査を行います。

 

 

通常の卵胞発育は...

 

 

月経1−3日目の左右の卵巣に2-5mmの小さい卵胞が5−15個くらいあります。この中から通常は一つだけ主席卵胞(排卵する卵胞になります。

 

 

月経の7-9日目には10mm前後の主席卵胞が一つ育ってきます。そのあとは、1日あたり1.5-2mmのペースで大きくなっていきますが、個人差も大きく、1-3mm/日と発育スピードが幅広いため、排卵日の数日前から卵胞の大きさをチェックしないと、排卵日を逃してしまうということになります。

 

 

主席卵胞は20-24mmで排卵することが多いのですが、実際は17-29mmの範囲内で排卵をしています。ですから、卵胞の大きさが17mmを超えたあたりから、尿中LH測定(いわゆる市販の排卵検査薬)を行い、排卵の時期を推測します。

 

 

月経周期が28日周期の方ですと月経14日目前後で主席卵胞ができて、尿LH検査が陽性になります。

 

 

月経周期が40日周期の方は排卵日がもっと遅くなることが予想されます。月経25日目前後が排卵日の予想となります。

 

 

主席卵胞が排卵したあとは、超音波検査で排卵確認を行います。

 

 

主席卵胞が大きくなっても排卵が起きない黄体化未破裂卵胞という状態がありますので一度は超音波検査できちんと排卵の有無を確認しておいた方が良いでしょう。

 

 

 

以上が不妊クリニックで行う排卵確認の方法になります。

 

 

タイミング法や人工授精の排卵確認の当院における通院のイメージとしては、排卵誘発を行わない自然周期の場合は、

 

 

初めての周期は排卵前に1−2回、排卵後に1回、2回目以降の周期はは排卵前に1−2回、超音波や尿検査を行います。

 

 

月経不順のある方や排卵誘発剤を使用する方は、それぞれプラス1−3回程度、通院の回数が増えます。

 

 

タイミング法や人工授精では正しい排卵日に夫婦生活や人工授精を行うことが重要となるので、少し大変ですが、しっかりと診させていただいています。