不動明王が祀られる滝に、由美子と恭平が訪れた。
そこには「滝に入る者は呪われる」という伝説があったが、二人は興味本位で滝に入ることにした。
滝壺は冷たく澄んでおり、二人は無邪気に遊んでいた。しかし、次第に滝壺の水が赤く濁り始め、背後から「やめろ」という声が聞こえた。二人は驚いて滝から上がろうとしたが、水の中から無数の手が伸びてきた。
「助けて!」と由美子が叫んだが、恭平はすでに滝壺の中に引きずり込まれていた。
翌日、由美子の遺体は滝の下流で発見されたが、恭平の姿は見つからなかった。
それ以来、不動明王の滝には「滝に入った者は二度と戻らない」という噂が広がり、村人たちは滝に近づかないようにしている。滝の周りには無数の手形が残されており、興味本位で滝に入る若者もまた姿を消すという。
滝の近くには「ここから先、立ち入り禁止」の看板が立てられている。