昔、炭鉱で栄えた村に住む大輔は、友人たちと炭鉱跡で遊ぶことが日課だった。
ある日、炭鉱跡で見つけた古びたトンネルに興味を持ち、友人たちと探検に出かけた。
トンネルの中は真っ暗で、懐中電灯の光だけが頼りだった。
奥へ進むと、突然誰かの囁き声が聞こえてきた。「帰れ…帰れ…」振り返ると、背後には無数の赤い目が光っていた。
友人たちは慌ててトンネルを駆け出したが、大輔だけがその場に取り残された。
翌日翌日、村の人々は大輔が帰らないことに気付き、心配して炭鉱跡に向かった。
彼らが到着すると、トンネルの入口には大輔の懐中電灯だけが落ちていた。
探索隊がトンネル内を捜索するも、大輔の姿は見つからなかった。
ただ、トンネルから出るとき、後ろから大輔の声が聞こえた。
「ありがとう…守ってくれて…」と。しかし振り返ってもそこには誰もいなかった。
その後、炭鉱の入口は石で塞がれ、大輔の話は村の不思議な伝説となった。