それでも何とか頑張って、


自分が立てた予定よりも、
4分遅れて53km地点、最初のエイドに到着した。

ここで、パン、バナナ、おにぎり、乾燥ナッツ、水分の補給がある。

トイレを済ませると

予定した10分など、すぐに過ぎてしまう。

制限時間を過ぎると、ミドルコースに回らないといけない。  

周りの人たちは余裕たっぷりに見えるが、

自分は身体を休める間もなく、

制限時間13分前に出発。

この先は緩い上りが続き、

徐々に体力を消耗する。

ここでも、沢山の人たちに次々と

追い越されていく。

さらに、国道に合流してからは、

最初のトンネルまでキツイ登りになるのだ。

ひいこら喘ぎながら坂を漕いでいると、

体調不良なのかメカトラブルなのか、

押して歩いている人がいた。

つられて私も止まって脚をつくと、

その脚が攣りそうになった。

何とか寸前でこらえる。

更に登りが続き、

時速ひとケタまでスピードが落ちる。
 
それでも意地でも降りず、

乗って進む。

それまでの道のりを

無理して走った疲労が重なり、

何度も足が攣りそうになる。

カーブの手前まで来て、

次こそトンネルが見えるだろう、と思っては、

カーブを過ぎると、期待が裏切られる。

そんなことを何度も繰り返す。

次はもう期待しないことに決めたら、

やっとトンネル入り口が見えてきた。

登り切った所で一息つきたいが、

時間がない。

そのままトンネルに突入する。

これが間違いだったか。

3キロもある長いトンネルで、

なかなか出口に辿り着かない。

しかもトンネルの中でも登りが続き、

進めど進めど、

なかなかピークが来ない。

疲れて休みたくなるが、

次々と後ろからダンプカーに追い立てられ、

危険で止まれない。

ああ、ちょっとでも休んでおけば良かった。

と後悔するが、時間も気になる。

果たしておやじは、

トンネルを無事に走り抜けて、

2番目のエイドにたどり着けるのか?