イタリア有力紙が「スターバックス、イタリアに進出」と報じたことが話題になっています。

世界に2万店を誇る同社が、まだイタリアに無かったこと自体が驚きと捉える人も多いかもしれませんが、この話は業界内では有名で、創業者のハワードシュルツ(厳密には創業者ではありません。ゼロックスのサラリーマンだったシュルツさんが、味に惚れてオーナーから買収し、多店舗化しました)がいつ決断をするのかが注目されてきました。

出店に二の足を踏んでいた理由は、イタリアには美味しいエスプレッソを提供するバールが至る所にあり、受け入れられないのではないかと心配をしていたことがあげられています。失敗して赤字になったり、撤退をしたりするようなことになれば、「やっぱりスタバは偽のエスプレッソだ」とレッテルを張られてしまう可能性もあります。私もシュルツさんに「いつかイタリアに出店するのですか?」と聞いたことがありますが、明確な答えは得られませんでした。

しかし、ここにきて勝負に出る決心をしたのは、スターバックスブランドの集大成を考えてのことかもしれません。シュルツさんは62歳。一度CEOを引退して、業績の悪化により再登板した経緯がありますが(当時は政治家になる為だったという話もあります)、米国的に考えればいつリタイアをしてもおかしくない年齢です。

私がスペシャルティコーヒーに惹かれた理由の一つは、子どもの頃から実現したいと考えていた「様々な国の文化の懸け橋」を体現していると感じたからです。

コーヒー豆はアフリカのエチオピア生まれ。
それが世界各国に渡って、トルコではターキッシュコーヒー、フランスではカフェオレ、アイルランドではアイリッシュコーヒー、ブラジルではカフェジーニョ、ベトナムではベトナムコーヒー・・・そしてイタリアでエスプレッソになりました。
それが、システマチックになって広がっていったのが所謂「スペシャルティコーヒー」なのです。

そういう意味でも、本当の集大成はスタバ(もしくは他のスペシャルティコーヒー店)がエチオピアに出店した時ではないかと考えています。

個人的にはそこまでシュルツさんに頑張って頂きたいと願っているのですが・・・(笑)