最後まで法文の修正で交渉を続けました。
しかし、心腸寸断の思いながら、政府を縛るという意味においては極めて強い効力がある「閣議決定」*を受け入れることにしました。
この法案が出てきたときには愕然とし、どうすれば廃案にできるかを考えました。
違憲か合憲かの議論が最初は盛り上がったのですが、与党も全く譲らず、平行線をたどり続けました。数年後に最高裁までいって、それでも判決が出されるかどうかも分からない状態。
結局、何もなく法案が通されれば、その間は政府に集団的自衛権のフリーハンドを渡すことになります。
そして、衆院での強行採決。
また、参院では60日ルールを適用できてしまう事実。
どんなに反対の気持ちが強くても、最後は数の論理で押し切られるという現実を直視したとき、国会議員としてどのような行動をとるべきかを自問自答しました。
私が議員でなければ、最後まで意思を表明する為に、反対と叫び続けたでしょう。
しっかりと自分の想いを発信し続けている国民の皆様には敬意を表したいと思います。
しかし、国会議員としては、この法案に少しでも歯止めをかけ、引き続き交渉を続けるための道筋をつくらなくてはならないという結論に達しました。
反対を唱え続けている、反対派の同僚議員の気持ちも分かります。
それでも私は10対0で負けるより、1でも2でも取りに行くという道を選びました。それが次につながると確信したからです。
つまり、この安保法案は今国会で採決され、終了ではありません。
諦めなければ、またチャンスは必ずやってきます。
ですから、反対派の皆さんにも、この国会で燃え尽きないで頂きたい。
今は、怒りの矛先を私に向けて頂いて結構です。このような立ち位置では両サイドから叩かれることを十分覚悟しています。
しかし、今後の私たちの行動も見つづけて頂きたいと思います。
その中で、「そういう事だったのか」と少しでも理解をして頂けるようになると信じていますし、そうなるよう闘い続けてきます。
*閣議決定とは、国政の重要事項について、総理及び全閣僚の一致をもって行う、政府の最高意思決定のことです。