月曜日の予算委員会は、私と猪木最高顧問の初タッグマッチでした!



私からタッチを受けた猪木さんは、集団的自衛権の合憲性根拠や東京パラリンピック・オリンピック等、平和とスポーツという観点から質問を行いましたが、その中で、非核三原則の法制化についてのやり取りもありました。



「非核三原則は国会決議であって、法律ではない」として、法制化するよう求めたのです。



それに対する答弁は、「非核三原則は国内外にしっかり示しているので、今から法制化することは考えていない」というもの(岸田外務大臣)。



たしかに、今まで何度か国会決議や総理のスピーチという形で明示的な提唱がなされてきました。



しかしながら、それらは法的な拘束力を持つものではなく、それゆえにこの原則は形骸化してしまう危険性を孕んでいるのです。



そもそも、非核三原則とは、核兵器を持たず、作らず、持ち込ませずという原則で、1967年に佐藤栄作首相が国会答弁で述べたものとされています。そして、政府の公式見解では、わが国は国是としてこれを堅持しているということになっています。



また、防衛白書では、「核兵器の製造や保有は、原子力基本法の規定でも禁止されている」、「核兵器不拡散条約により、日本は、非核兵器国として、核兵器の製造や取得をしないなどの義務を負っている」等と、あたかも万全の法制度があるかのような説明もされています。



しかし、「持ち込ませず」には、法律にも条約にも法的根拠がなく、たびたび米軍による核の持ち込み疑惑が上がっています。



しかも、その裏には「密約」の存在も指摘されてきたのです。



2010年3月9日、外務省の有識者委員会から外務大臣に提出された報告書によると、1960年日米安全保障条約改定時の核兵器持ち込みなどに関する「密約」が認定されています。



そして、この密約は、外務事務次官ら外務省の中枢官僚が引き継いで管理し、官僚側の判断で橋本龍太郎、小渕恵三ら一部の首相、外相だけに伝えていたと言われているのです。

つまり、この非核三原則は、少なくとも「持ち込ませず」に関しては、はじめから有名無実であった可能性が高いということです。



建前では、外国の軍隊による我が国領域内への核兵器の持ち込みは全て認めず、米国についても安保条約に基づき核持ち込みの事前協議がなされた場合には、それを拒否するということになっていました。



日本政府は核搭載艦船の寄港等も事前協議の対象であると解釈していましたが、米国政府は対象外であると解釈してきました。この大きな溝があることを知りながら、日本政府が意図的に放置してきたことが、持ち込み疑惑の根本的な原因なのです。



やはり、国会決議や総理のスピーチで示されたにものに過ぎないと、論理的に詰められていない部分が多く、かつ、勝手に解釈することができる余地が大きいため、実効性を担保できません。



この三原則の信頼性を確保するためにも、また日本の核廃絶に向けた姿勢をアピールするためにも、法制化が不可欠です。



その際には、他国が核兵器を所持して国内を通過する場合も含めて禁止することを明定し、かつ、持たず・作らず・持ち込ませずが遵守されるための具体的な措置を盛り込まなければなりません。



もしくは、「持ち込ませず」をどうしても変更したいという事であれば、堂々と政府は新しい考えを提示し、審議しなくてはいけません。誤魔化して形骸化させ、隠そうとするのが最悪のパターンです。



日本を元気にする会は猪木最高顧問の質問を皮切りに、非核三原則に関する提言と行動も、しっかりと行っていきたいと思います。