5/29午前、鹿児島県の口永良部島(くちのえらぶじま)で爆発的な噴火が発生しました。火砕流が海まで届き、噴煙は高度9000メートルまで上昇。噴火や火砕流・土石流が続く可能性もあり油断は禁物です。
言うまでもありませんが、日本にはたくさんの火山がありますし、噴火は頻繁に起こっています。鹿児島県の桜島では2013年に大規模な噴火があり、噴煙が5000メートルまで上りました。
昨年9月の御嶽山噴火では57名の方が犠牲になり、箱根山では4月以降火山性の地震が多発し、15センチの隆起も確認されています。
このような災害を見る度に感じるのは、自然の猛威に対する人間の無力さです。
東日本大震災では、激しい揺れと津波の前にはなすすべがありませんでした。その結果、福島第一原発事故が起こり、安全が虚構の上に成り立っていたことが証明されたのです。
5月27日に原子力規制委員会は川内原発の保安規定を了承し、新しい規制基準を全て満たしたとしています。九州電力は7月にも1号機を再稼働させるとのこと。しかし、原発の周囲160キロ圏内には5つのカルデラ(巨大噴火の跡)が存在しています。約 1万年に1度は巨大噴火があるといわれる日本は、鹿児島県沖でおきた巨大噴火から約7300年たっています。九州南部で巨大噴火が起こる可能性は否定できません。
川内原発の火山対策は「近隣の火山のリスクが高まったら燃料棒を取り出す」というものですが、その取り出しには数か月以上かかると言われています。
今回の口永良部島の噴火も予知することはできなかったのです。福島原発事故を経験したばかりの日本で、なぜリスクを過小評価し続けてしまうのか。
このような稚拙な対策で規制基準が満たされるのであれば、福井地裁で判決が出たように、基準そのものの信頼性は無くなってしまうでしょう。
規制委員会が「喉元過ぎれば熱さを忘れる」では話にならないのです。