今国会、初の経済産業委員会における審議が行われた3月26日。
その場で私は『クールジャパン推進機構』について質問をさせて頂きました。
(その時の質問についてはコチラ をご覧ください)


大まかに分けるとポイントは二つ:
① 出資先が10件決まっているが、その内の4件、額にして6割が特別の利害関係をもつ事業への出資となっている。このままでは大手企業が迂回出資を受けていると言われても過言ではない。もっと中小企業にも広げるべき。
② 多少リスクがあったとしても、アイドル、ガールズカルチャー、ラーメンなど既にジャパンカルチャーとして海外で人気があるものに頼るのではなく、日本の伝統、文化、技術等を発信する事業にも出資をするべき。

それから10日後に二つの新しい投資案件への出資が決まりました。
一つは、KADOKAWA Contents Academyの「海外におけるクリエイター人材育成スクール事業」。こちらは、従前通り実質は大手企業に対する投資でした。
しかし、もう一つは長崎県の企業などが出資して設立した「グリーンティーワールドホールディングス」(GTWH)の事業です。
私の提言が効いたのか分かりませんが、こちらは上記の①と②の両方を満たす内容となっています。

そのGTWHが昨日、クールジャパン機構と、米国で日本茶カフェ事業を始めると発表しました。「抹茶エスプレッソ」や「ほうじ茶ラテ」を提供し、年内にカリフォルニアで1号店、将来的には1000店舗を出し、「お茶のスタバ」を目指すとのこと。

本ブログの読者ならばご存知かもしれませんが、これは私が13年前に挑戦した「KOOTS GREEN TEA 」(KGT)そのものです。
KGTはまさしく抹茶・緑茶カフェの走りで、現在は国内に73店舗を展開するNANA’S GREEN TEA の創業者も「KGTからヒントを得た」とインタビュー記事で公言されていたぐらいですが、タリーズの譲渡後に伊藤園が自社とのダブルブランドを避けたいとの理由でどんどん閉店してしまいました。今となっては麻布十番に1店舗しか残っていないという状況です。 

実は、KOOTSの米国展開も私は9年前にチャレンジしています。
シアトルに2店舗を出し、何とか抹茶と緑茶をカフェ形式で広げようとしましたが、赤字が続いたため、断腸の思いで撤退をしました。





 (Seattle Times: May 23, 2006




長崎のGWTHさんが、KOOTSのことを知っているかどうかは分かりませんが(多分、知っているだろうとは思いますが(笑))、この業態が米国で再チャレンジをするというのは、私にとってもワクワクする、大変うれしいことです。

ビジネスはやはり半歩先を行くのが重要。どんなに素晴らしいコンセプトでも、三歩先を行ってしまうと失敗するのです。
そういう意味でも、日本食が世界的にここまで広がった今は、タイミングがとても良いのではないでしょうか。私が成功させられなかったこの事業で、日本の抹茶と緑茶、そして最終的には茶道の精神「おもてなし」「一期一会」を広げるという想いを持って、ぜひ成功して頂きたいと思います。

今後、このようなベンチャーにも益々出資が増えるよう、経営者視点を持った政治家としてクールジャパンにも引き続き提言をしていきたいと思います。







KOOTSのオリジナルロゴマーク(スタバからのクレームにより変更)とGWTHのロゴマーク