今年戦後70の節目の年です日本国憲法は終戦直後の1946113日に公布されましたが、これまで一度も改正されていません。しかし、世界の情勢は大きく変わっており、制定時には想定できなかった問題、現在のままでは対処が困難な事項生じています。不磨の大典という考えでは制度の歪みが益々大きくなってしまいます憲法については、守るべき部分は守り、変えるべき部分は変えるとの姿勢で国全体でしっかりと議論していくことが重要です。

 

昨年7月の閣議決定で、集団的自衛権の行使を容認する憲法解釈の変更が行われました。このときは、政府・与党内での議論行われたものの、国会での審議や国民への説明は不十分でした。国会でも政府はメリットを中心に伝え、デメリットについては問われても正面からの答弁を避けています

 

また今年3には、閣議決定を受けて「安全保障法制整備の具体的な方向性について」と題した自民・公明の基本合意がなされました。そして、それからわずか1カ月で、政府から示された現行法改正の主要条文案が与党内で事実上了承されています

 

さらに428日に日米防衛協力の指針(ガイドライン)が改訂され、翌日の安倍総理の米国議会での演説では、まだ国会や国民に内容が示されてもいない安保法制の関連法案をこの夏までに成立させると宣言してしまっています

 

日本の外交・安全保障についての最重要事項が、このような日程ありきの形式的な議論で進められることは認められません。あまりにも国会・国民軽視しています自衛権に関しては、最終的には憲法9条を改正することの道筋を打ち出す必要がありますし、その前提として国民的議論が不可欠です。

 

また、自衛権以外にも環境権などの新しい人権、財政規律、一の地方公共団体のみに適用される特別法についての住民投票、緊急事態、さらには同性婚や改正手続等、様々な事項が検討されています。改正案は、テーマごとに提案されることになっておりますので、一つ一つしっかりと議論していく必要があります。そして、当然ですが、言論などの自由な表現活動を通じて政治的な意思決定に関与できるという民主制の根幹を侵してはなりません。特に、政府・与党が他者の情報発信を妨害したり、委縮させたり、もしくは利益誘導するようなことは、絶対に許されないのでそういったことがなよう、国会議員も国民もしっかりと監視していく必要があります。

 

憲法について他の何よりも自由でオープンな議論がされなくてはなりません。国会でも、少なくとも参議院においては、党議拘束を外して審議するべき最重要議題です。国会議員一人ひとりが政治的決断を行って意思を表明しなくてはならないと思っています

 

国論を二分するようなテーマについては、政党内でも徹底的に議論し、反対・賛成意見を各議員が明示しながら国民とも議論していく。それが、政治家のあるべき姿そして、日本を元気にする会の理念です。この精神に則って、憲法改正についても我々は真正面から堂々と取り組んでいく所存です。