今朝AM4:30頃、仕事をしながら「今日のブログ、何を書こう」と思っていたところ、新人秘書の遠藤君から「今夜聞いたラジオTBSを録音して文字起こししました」という奇跡のようなメールを発見。

 

でかした!

しかも、出演者は気鋭の憲法学者として名高い木村草太准教授、コメンテーターとしても人気の荻上チキさん

そして、内容は昨日の予算委員会での私と安倍総理の質疑について!

 

さすが木村准教授。質問の趣旨や安倍総理の答弁の重要性を的確に捉えて説明してくれています。

 

これを読んで頂ければ、昨日の予算委員会を聞いて「?」と思った方にも、理解して頂けるのではないでしょうか。

 

少し長いかもしれませんが、是非ご一読を!

(誤字脱字、ご容赦ください)

 

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萩上チキさん(以降 萩上):日本元気にする会代表が辺野古基地設置法を国会で可決したほうがいいのではないか、という議論をしたという話ですが、以前に木村さんがラジオで話していた内容にかなり似た内容になりますよね?

 

木村草太さん(以降 木村):まったく同じ考えだと思います。法律を作って、政府だけで判断するのではなく、国政の重要事項は国会で決めるというのが、憲法ですから。国会が法律で決めて、法律を作る場合、住民投票が必要と95条でなっているので、特別に特定の地方公共団体にしか適応されない法律なので、憲法95条に基づき住民投票を行われる。これが正しい導きではないかと、松田議員は質問されていました。

 

萩上:それでは松田議員と安倍総理のやり取りを改めて聞いてみたいと思います。

 

・・・・・国会の中継・・・・・

 

松田:総理は辺野古の問題は国政の重要事項だとお認めになっているわけで、そうであれば全国民の代表である国会で、これについて審議をして、例えば辺野古基地設置法のような法律を制定して、法律事項として進めるべきだと私は思っていますが、それについて一つお聞きしたいのと、また同時にその場合は特定の地域、つまりは名護市に負担を強いる立法となるわけですから憲法95条によって、最終的には名護市の住民投票が必要になるので、これをもって決する必要があると思いますが、総理はいかがでしょうか?

 

総理:政府として、まさに行政の責任として当然国会にもさまざまなそのための法律を作る際には議論を頂きますが、行政の責任として国民の命と幸せな暮らし、領土、領海を守っていくのが政府の責任であります。そして日米同盟の中において、条約上の義務を果たしていくのも行政でございます。その中において橋本政権の時に日米で合意をしたこと。この合意にのっとって普天間の移設をしていく。それは辺野古に移設していくということで合意したわけであります。すでにある法令にのっとって粛々と進めているわけで、これに上乗せして法律を作る必要はないと思っているところでございます。その上に置いて住民投票等の話がありましたが、一般的に住民投票は多様な住民ニーズをより適切に地方公共団体の行政運営に反映させるために、住民の意思を把握する手法として代表民主制を補完するものだと考えています。辺野古への移転については今申したように、本来の住民投票の目的とは異なるのではないかと思っております。

 

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萩上:松田議員と安倍総理のやり取りでしたが、このやり取りの中で木村さんが気になる部分があるということですが、どういうとこでしょうか?

 

木村:このやり取りに先立って『辺野古に移設するかどうか、移設の場所というのは国政の重要事項ですよね?』と松田議員が質問しているわけですよね。安倍総理は「当然そうです」と。たぶん皆さんもそのように考えると思うのですけども、当然そうですと言っているのを受けて松田議員が『総理も国政の重要事項と認めましたよね?』ということで今のやり取りに進んでいったわけですが、

重要事項というのは、見かけよりも重要な意味を持ったやり取りになっています。憲法を思い出せばわかると思いますが、憲法には国会は国権の最高機関である。また唯一の立法機関。国政の重要事項を決する法律を作るための機関。と憲法には書いてあります。ですので重要事項であると認めた以上、一内閣の判断で出来ることではなく、国会は重要事項として民主的に決定しなくてはいけないという趣旨の答弁を安倍首相に言わせたのです。であれば、『当然法律を作らなくてはいけないですよね?』という松田議員の質問に対して、「重要事項なのだけど、行政の責任として進める。つまり国会の辺野古につくるという議決がなくても、行政の判断だけで辺野古に作れます」と安倍総理は答弁してしまったわけです。これは重要事項にも関わらず、内閣が決定権を国会から奪い取るという趣旨になっているわけで、非常に重要な意味を持ち、また充分に検証されなくてはいけない答弁だったと思います。

 

萩上:例えば時の内閣がこれは法律で、でもこれは法律にさせると面倒くさいから手続き伸ばして自分たちで、というのをそんな簡単に使い分けられてしまうものなのでしょうか?

 

木村:そうではなく、そうしたら国会の意味というのは全くなくなってしまいますし、立法権が国会にあるという憲法に違反してしまうことになります。私たちの国の憲法として重要事項は国会で決めることに憲法でなっているわけですから、安倍総理の判断というのは、私の判断で、内閣の判断で出来てしまうというのは憲法の理解として不十分ではないかと思う。

 

萩上:先程もありましたが、憲法95条が重要ということですが、改めてこの95条がどういうものなのか教えて下さい。

 

木村:特定の地方公共団体だけに適応される法律を国会が作る場合は、自治体の住民投票で過半数の同意を得なければいけないというもの。例えば辺野古基地設置法というのを作ったら、名護市だけに適応される法律なので、95条で住民の投票で同意が必要だと。それは今日の答弁で松田議員の質問に対して、もし作るのであればという仮定を置いた上で、高市総務大臣も「当然95条の住民投票の承認が必要な法律でしょうね」。と認めています。

 

萩上:例えば沖縄に何か作るとなったときに、国会だと46都道府県が全て賛成してしまうと、沖縄がどう反対しようと賛成出来てしまうのですよね?国会だけで決めるとなれば。そういう一方的な形にならないために、地元住民の意思表示が必要だというようなことですよね?

 

木村:そうなっています。公平なために特定な地域に負担を押し付けるような立法を不公平にやらないために憲法95条があり、その手続きを政権が迂回しようとしていると松田議員は指摘したのだと思います。松田議員自身が辺野古は絶対だめだという趣旨の質問ではなかったと思うのですが、手続きとして憲法が要求している民主的な手続きというのを迂回しようとしているのではないかという問題提起を松田議員はされました。

 

萩上:なぜ松田議員が今まで木村さんが主張していたようなことを今日国会で、まったく同じような仕方で質問したのですかね?

 

木村:恐らく私のものを含めて読んで頂いたのと、憲法の理解として自然な理解だと思います。重要事項は国会で決めなければいけないよね?一地域に負担を課すような法律は当然その場所の住民の同意が必要ですよね?ということになるので、これは私も沖縄タイムズとかで問題提起させて頂いたのですけど、そういうことに触れて頂いたのだと思います。議論としては憲法論として非常に素直な議論であるということだと思う。

 

萩上:一方安倍総理は今回のことではそのような手続きは取らないということを明言したということですよね?

 

木村:名言したと思いますよ。つまり辺野古に決めたということは安倍内閣として国会にも責任を押し付けません。安倍内閣の責任として決めます。と捉えていいと思います。辺野古についていろんな政権の中で議論してきたことですが、国会で決めるということではなく、安倍内閣の責任で決めるということを言ったということですから、今後何か問題があれば当然安倍内閣の責任になるということを引き受けたという答弁だと思う。

 

萩上:憲法の問題であるということは例えば住民投票をせずに決定して、基地を作るということは違憲になるということにはなっていかないのですか?

 

木村:そういう議論になりうる。松田議員が提案した憲法論というのは、立法と住民投票という手続きを経てこういう基地を作るという憲法を我々の国の憲法にするべきではないかという解釈に対して、安倍総理は、内閣の一判断でできたほうがいい憲法なのだという、2つの憲法感が戦われたというのが今日の質疑でした。皆さんもどちらの憲法が魅力的な憲法の手続きなのと考えて頂きたいと思うのです。

 

萩上:なるほど。今日安倍総理が粛々という単語を使いましたが、それは今までそうしたものを内閣が決めてくるという空気感のもとで進んできたのだからというような、そこに対して議論を改めて盛り上げないでという意思表示になるのでしょうか?

 

木村:粛々という言葉をなぜ沖縄県民の方が怒るのかと言うと、粛々というのは一内閣の判断でできるということであって、国会には沖縄県民の同意は必要ない事項だ、という法的意識の発言なのです。沖縄の民意とか国会の民主的手続きは必要ないという意味で粛々と、という言葉を政権は使っているので、それは違うという意味で沖縄県民とかは批判しています。粛々と、という言葉にとらわれるのではなく、そこで行われている手続き論が重要ということです。

 

萩上:一つはその象徴として触れることも出来ますし、昨日菅さんが言わないと言ったことを今日早速言ったという話だけでとらえられてはもったいないということですよね?

 

木村:菅さんは粛々と、という沖縄の民意を無視しますという意味合いの言葉は使わないほうがいいと考え、粛々とは使わない言ったと思うのでが、総理は沖縄の民意とか、国会の手続きを絡ませないほうがいいという手続き論を展開されました。

 

萩上:そうしたものが浮き彫りになったやり取りだったということですよね?

 

木村:非常に見ごたえのあるやり取りだったと思います。

 

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最後までお読み頂き、ありがとうございます。

自身の解説も、後日アップしたいと思います。

 

さて、今日もこれから予算員会で質疑をしてきます。

今週は4日連続ですが、質問を全部自分たちで考える少数政党は意外と大変です(汗

 

寒い日が続きますが、良い一日をお過ごしください