子供の頃、私はロボットの話が大好きで、漫画の「鉄腕アトム」や、特撮番組の「がんばれロボコン」に夢中だったことがあります。

最近は、その子供の頃のSFの世界が現実のものになりつつあるとワクワクしています。

しかし、反面、警鐘を鳴らす知識人も増えてきました。

例えば、物理学者のスティーブン・ホーキング博士は「完全な人工知能を開発したら、それは人類の終焉を意味するかもしれない」と表明し、テスラモーターズのイーロン・マスクCEOは、「人工知能は、結果的に悪魔を呼び出していることになる」と言っています。

今日の経済産業委員会で宮沢大臣に「人類の英知によってロボットやAI知能がこの勢いで発展し続けた場合、特異点を超えるような状況になり、逆に人類に危険を及ぼすような事態になるかもしれないという想定は、政府としてされているのでしょうか?」と聞いてみました。

結論は、考えていないとのこと。

経産省では「ロボットによる新たな産業革命」の実現のために、「ロボット新戦略」を取りまとめていて、私も未来志向の政策として積極的に進めるべきだと思います。

しかし、先月「金融専門家、機械化に勝てず。アメリカとイギリスの大手銀行の 従業員、2008年比2014年は35万人減(ブルームバーグ)」というニュースが流れたのをご存知でしょうか。世界のハイテク企業がリスク管理やデータ分析、トレーディング プラットフォームなど、かつては人間が行っていたサービスを提供し、金融の専門家が機械に職を奪われているということです。

また、2013年に発表されて話題になった、オックスフォード大学のマイケル・オズボーン准教授の『雇用の未来』という論文では、アメリカ労働省のデータに基づいて、702の職種すべてについて、ロボット・コンピューターに取って代わられる確率が詳細に試算されております。(参考記事はこちら

その中では、これから10年ほどで多くの仕事がコンピュータに代替されると予測されていて、「銀行の融資担当者」「パラリーガルなど弁護士助手」「店舗のレジ係」「塗装工・壁紙張り職人」から「動物のブリーダー」「スポーツの審判」までも含まれているとされております。ブルームバーグの大手銀行の話が既にあるので、かなり現実味を帯びていると思います。

同准教授によれば、アメリカでは今後10~20年で総雇用者の47%の仕事が奪われる可能性があるとのことですが、これを日本にあてはめると2600万人が失業するおそれがあることになります。非常に衝撃的な数字です。

しかし、この「ロボット失業」についても、経産省は何も考えていないし、試算もしていないとのこと。

ロボット新戦略はどんどんと進めて頂きたいですが、そのプラスとマイナス、両方の波及効果についてもしっかりと検討し、それを国民に示しながら政策を実現していって頂きたいと思います。

また、産業革命が実際に達成できたとすれば、これまでの価値観や仕事観では時代に、社会に取り残されてしまいかねません。
新しい価値を自分で切り開いていく力が、今後ますます重要になってくるでしょう。

繰り返しですが、100年先の話ではありません。10年後、20年後はあっという間。上記の702職種は一つの参考として、ぜひ皆さんに考え、行動して頂きたいと思います。