昨日、経産委員会にて今国会初の質疑が行われました。
私は、質問の1つとして、官民ファンド「株式会社海外需要開拓支援機構」(クールジャパン推進機構)を取り上げました。


「日本の素晴らしさを世界に伝える」ことが私の子供のころからの想いでもありますので、日本の魅力を事業化し、海外需要の獲得につなげるという機構の理念については心より賛同しています。


しかし、その中身についてはかねてから疑問を呈してきました。表面的に巨額の国費を投じることになり、得するのは大企業だけではないかと一昨年、法案にも反対しました。
そして、法律ができてからは、定期的に注意を払ってきました。


出資が決定している案件は、現在10件。残念ながら、運用が適切とは言いにくい状況です。


この10件のうち、「マレーシアにおけるクールジャパン発信の拠点となる商業施設事業」(機構からの出資9.7億円)、「中国(寧波市)におけるジャパン・エンターテイメント型の大規模商業施設事業」(同110億円)、「正規版日本アニメの海外向け動画配信およびEC事業」(同10億円)の3つは、いずれも機構の株主の事業です(三越伊勢丹ホールディングス、エイチ・ツー・オー リテイリング、バンダイナムコホールディングス)。


また、「海外におけるジャパン・チャンネル事業」(同44億円)は、機構の会長である飯島さんが取締役をつとめているスカパーの事業です。


10件のうち4件(4割)、額にして約290億円のうち174億円(6割)が特別の利害関係をもつ事業への出資となっているのです。


官民ファンドは税金の無駄づかいと言われているだけでなく、天下りの温床、民間との癒着等様々な問題点が指摘されています。そして、今のクールジャパン機構も、アンフェアな運用、税金の不適切な使用を疑われても仕方のない状況です。


このような現状をどう思うか尋ねたところ、宮沢大臣の答弁は、「委員と関係する会社に出資されていることは事実であるが、審査のときには当該委員は加わらない運用がされていると聞いているので、特に問題があるとは考えていない」というものでした。


しかし、審査に直接的に関わらなかったとしても、株主や会長の意向が働くのは当たり前です。


「機構の株主が、出資した以上の額を自分たちのジョイント・ベンチャーに出資してもらっているのはおかしいのでは?」と続けると、「疑念がもたれないような方策を今後講じていくことも必要」と答弁されました。


私は揚げ足をとりたいわけではなく、やる以上は正しい経営を行って、日本の新・旧文化を真に世界に広めて頂きたいと思っています。お友達企業の中でお金を回すようなプロジェクトでは意味がありません。


クールジャパンの法案が出来たときに心配したことが現実のものとなってきています。このままいくと国民のお金が1000億円単位で出されるようになるのが目に見えていますので、今後もしっかりとチェック機能を果たしていきたいと思います。