世界的に最も有名な楽曲と言えるベートーヴェンの交響曲第9番(第九)。


昨日、東京フィルハーモニー交響楽団の特別演奏会(presented by楽天)を聴きに行きました。





「サントリーホール前の噴水広場」



演奏もコラールも最高で、創立103年の東京フィルは世界でもトップクラスの実力を持つであろうと改めて感じました。


ところで、日本では年末の風物詩となっている第九。
他国では必ずしも「年末に聴く曲」となっていないことをご存知でしょうか。


日本で年末の曲として広まったのは、NHKが1940年にラジオの生放送を企画した際、「ドイツでは大晦日に第九を演奏し、演奏終了後と共に新年を迎える」と、間違った情報を流してしまったのが始まりだと言われています(実際、ドイツでは大晦日に演奏する楽団はありますが、一部ですし、年越しはしません)。
そして戦後の日本にそのイメージが引き継がれ、また、年末年始の生活に困っていた楽団員や合唱団員が人気の第九を文字通り「年を越すために」演奏し、収入を得るようになっていったのが年末の恒例化に繋がった理由だと言われています。


スペシャルティコーヒーが広まる前、酸味のある珈琲が「定番」とされていたのは、日本人が最初に聞いたり(帝国ホテルなどで)経験したりしたコーヒーが酸味のあるものだったからです。
何となくそれに通ずるような話ですね。


それ以外にも、日本で定着している無数にある外国文化は、導入時の「ストーリー」を知ると、より深く楽しむことができるのではないでしょうか。