憲法改正を自身の歴史的使命と位置付けている安倍首相。

しかし、衆院選の党首討論を見ても、演説の内容を見ても、憲法の話題は極力避けようとしているのが分かります。

 

私は憲法審査会(参議院)の幹事として、憲法に関する考え方を各党と何度も議論してきました。

国民投票法改正の時は投票年齢を18歳に下げることと同時に、その枠組みを憲法改正以外の重要政策(原発推進の有無や、選挙を経ないで首相を変える時など)にまで広げるべきだと最後まで主張しました。

また、東日本大震災直後には何度も被災地入りをして(当時、国会議員の現地入り控えるようにとの申し合わせがありましたが、私は行き続けました大震災や有事の時に備えて緊急事態条項を創設する必要があると提言しています。

また、自衛権をより明確にする為に、憲法9条の改正も不可欠だと思っています。

 

安倍首相が憲法9条の改正を念頭に置いていることは誰の目から見ても分かります。私も合致するところは是是非非で協力していきたいと思います。しかし、最も重要なのは、国民と共に話し合うことです。勿論、96条が改正されない限り、最終的には国民投票者の1/2の賛成が必要になりますが、私はこの重要な国の基本原則にかかわる問題はスタートラインに立つ前から堂々と話し合っていくべきだと思うのです。3分の2の改憲勢力を得たうえで、閣議決定の時のように性急に国会を通し、国民に最短2カ月だけで投票を迫るには重要すぎる内容だと思うからです

 

米国では大統領を決めるにあたっても、2年かけて徐々に議論を進めます。

この憲法改正に関しては、どの条項か決まっていないにしても、目指すところは一つなのですから、来年以降(次の選挙までに)動きを始めるのであれば、衆院選の争点として堂々と話し合っていくべきです。

のプロセスを経なければ民主党の時の消費税増税と同じで「公約(マニフェスト)に書いてあることはやらずに、書いて無いことをやる」と言われてしまい、益々政治不信が高まってしまいます(今の自民党政権公約の最後のほうに少し触れてあるだけでは全く不十分です)。

 

熟議をせずに、国民が声を出す機会を奪われたとなれば、日本の民主主義は地に落ちることになります。