プロ野球ドラフト会議で、今年も色々なドラマが生まれました

中学3年生の時に小児脳腫瘍を摘出し、見事難病を克服した山崎福也投手(明治大学)

難病に苦しむ全国の子供たちの希望の星として頑張って頂きたいと思います。

ドラフト制度は、資金面で余裕のあるチームが新人選手獲得面で有利にならない制度として考案されたものです(ある意味、日本の公職選挙法と似たような趣旨です)。

確かに、完全にチーム側の自由に任せてしまうと、潤沢な資金のあるチームや魅力的なチームはますます強くなり、弱いチームはますます弱くなってしまいます。企業の場合はうあるべきですが、スポーツ全体の盛り上がりなどを考えた場合、できるだけ同じチームが長く存続することが望ましいという考えで、この仕組みが生まれたのでしょう

しかし、ドラフト制が問題をはらんでいることも事実。なんといっても、選手の意思を無視した制度であることは大問題です。指名された選手は、そのチームに入ってプロとならなければ、プロとして活躍する機会を一度失ってしまいます。

また、指名が競合した場合には抽選となるのが一般的です。一見公平に見えるかもしれませんが、戦力の均衡という観点は不足しているでしょう現在、日本のプロ野球で採用されているドラフト制では、1巡目が順位に関係なく抽選、2巡目がリーグ順位の最下位のチームから選択、3巡目はリーグ戦の上位チームから選択、という流れで行われます。これでは、選手は自由に球団を選べませんし、下位のチームへの配慮という趣旨からも不十分です

世界的には、自由競争の仕組み多数を占めるようになっています。ヨーロッパサッカーリーグの移籍金ビジネスは有名です(プレミアリーグは、昨年冬の移籍市場で合計210億円、夏の移籍市場と合計して約1200億円が動いたそうです)。

また、日本のJリーグもドラフト制は導入していませんが、年俸上限のない選手の数を制限するなどして、極端な戦力の偏りがないようにしています。

例えば、トライアウトに合格した選手を対象にしたウェーバー制で行うドラフト会議枠と、何らかの年俸制限等を設けたうえで、自由交渉で獲得できる枠を並立するなど、選手の自由意思と戦力の均衡とを考慮した選手獲得方法としてもいいのではないでしょうか。

職業選択の自由が謳われている民主主義国家において、ドラフト制度は抜本的な改革が必要なのではないかと毎年感じてしまいます。