ノーベル平和賞を受賞したカイラシュ・サティアルティさんとマララ・ユスフザイさん。強制的な児童労働廃止と女性・子供の教育権を求め、暴力にも負けず闘ってきました。
本当に世界中の人々に勇気と希望を与えたと思います。
また、隣接しながらも対立しあうインドとパキスタンの国民が同時に受賞したというのも、ノーベル賞審査員たちのメッセージなのではないでしょうか。

今回は日本国憲法第9条も候補の一つでした。「憲法9条にノーベル平和賞を」実行委員会(神奈川県座間市の主婦らが中心)が2万4887人の署名添えて送った推薦によって、「憲法9条保持する『日本国民』」としてノミネートされていたのです(受賞者は人物か団体のみであるため)。

ノーベル平和賞については毎年オスロ国際平和研究所(PRIO)という民間研究機関が受賞予測を発表していますが、9条はずっとリストの圏外でした。しかし、10月3日付の更新で一気にトップに躍り出て、受賞の可能性が高まりました。

そのような状況になり、安倍総理や一部閣僚が困惑していると言う話が永田町でも漏れ伝わってきました。首相の「結構 政治的」という発言はその表れですし、菅官房長官は受賞が決まる当日の記者会見で「単なるうわさや予想に過ぎない」「答えることは控えたい」という、少し突き放したようなコメントを残しています。もしウエルカムだという気持ちがあれば「結果はどうなるか分かりませんが、もし受賞となれば日本にとって喜ばしいこと」程度は言うのではないでしょうか。

誤解を生まないように申し上げますが、私は憲法改正で9条を見直すことは必要だと思っています。
しかし、1945年から70年。戦後復興の中で9条の果たしてきた役割を否定することは日本の歴史を否定するようなもの。人に例えれば、自分の人生の一時期を否定するようなものです。
逆に正面から受け止め、その経験を踏まえ、そこから次の未来へ向かっていくための議論を始めるべきなのです。

誤魔化したり、隠したり、議論を避けたりすることでは、真の成果は得られません。

そういう意味で、私は9条の受賞が実現していれば日本と日本国民にとって喜ばしく、成長をもたらすものだったと考えています。

非常にコントラバーシャルな話ですが、是非皆さんにも憲法や9条について積極的にご自身の考えを発信して頂きたいと思っています。
一部の政治家だけに任していて良いものではありません。