昨夜、青色発光ダイオードの発明で、ノーベル物理学賞を日本人3名が受賞したというすばらしいニュースが届きました。



日本人のノーベル賞受賞は2012年の山中伸弥さん以来。アメリカ国籍を取得している南部陽一郎さんを含めると日本人受賞者は22人となりますが、なかでも日本のお家芸と言われる物理学賞はこれで10人となりました(日本人で初めてノーベル賞を受賞した湯川秀樹さんも物理学賞でした)。



政府は、2001年に策定した科学技術基本計画の中で、「50年間で受賞者30人」という目標を掲げました。



その2001年以降の日本人受賞者は、今回の受賞で13人。
物理学賞では小柴昌俊さん(2002年)、小林誠さん(2008年)、益川敏英さん(2008年)、南部陽一郎さん(2008年)、そして今回の赤崎勇さん、天野浩さん、中村修二さん。
化学賞では野依良治さん(2001年)、田中耕一さん(2002年)、下村脩さん(2008年)、鈴木章さん(2010年)、根岸英一さん(2010年)。
医学生理学賞では山中伸弥さん(2012年)。



PDCAのC(CHECK)で言うと、目標期間の3分の1を経過する前に目標の3分の1を超えたこととなり、順調なスタートです。
とはいえ、これまでの受賞者の多くは政府の目標が設定される前の研究成果に基づく受賞。数字が順調に見える時こそ「改善」を繰り返し、A(ACTION)を広げなくてはいけません。



そのうちの一つとして、2050年の科学を担う子供たちが楽しんで勉強できるような環境づくりが大切です。1月の代表質問でも述べましたが、国際的な学力テストでは好成績をおさめながら、勉強に対する興味・関心や楽しみなどのアンケート結果は平均を下回っています。成績はいいけれど、受験のために仕方なく勉強しているだけだということが表れているのです。子どもたちが未来に多様な夢を持ち、自分たちで道を切り拓いていく為の教育に転換していく必要があります。その為の教育制度改革を引き続き提言していきたいと思います。



また、日本の更なる研究発展のためには、企業によって行われる発明を促進することが重要です。そのことと関係して問題となるのが特許法35条の職務発明。これは、発明に投資を行う企業と実際に発明を行う研究者との利害関係の調整のための規定ですが、改正が検討されています。「日本の研究者はサラリーマンで、良い研究をしてもボーナスが増えるだけ」、「日本には自由がない」と中村さんは言っていますが、今度の改正が研究者の発明へのインセンティブを損なうものにならないようにしなければなりません。研究環境の改善は国が優先して取組むべき急務です。



今回の青色発光ダイオードのように、人々の暮らしを一変させるような発見を日本人がどんどん創造していくようになれば、ベンチャーと新産業が生まれ、人口が減少していくなかでも豊かな経済国として成長を続けることができるでしょう。



その夢と希望を与えてくれた、赤崎さん・天野さん・中村さん、本当におめでとうございます!
引き続き研究を深化して頂くと共に、日本の若手の育成にもご尽力してもらえれば幸いです!