年初の安倍総理の施政方針演説に対し、私はみんなの党を代表して質問に立ち、その中で「次の内閣改造では女性閣僚の割合を3割以上にするべきでは」と質問しました。答えは「自民党の三役(幹事長・政調会長・総務会長)のうち2名、既に67%は女性であります」(総裁を入れたら1/2ですが)と半分ギャグのようなものでした。


今回の人事で、党三役の女性は稲田さん(政調会長)のみとなりましたので1/4になってしまいましたが、女性閣僚は2人から5人へと増えました。
以前から、安倍総理は小泉元総理を大分意識していると感じていますが、今回の女性閣僚は自民党の歴史で過去最多タイの人数。これは第一次小泉内閣と同じです。
そう考えると、あまり新鮮味は感じられませんね。


「女性の活用」(個人的にはちょっと失礼な言い方だと思いますが)を重要政策として掲げ、男女共同参画担当大臣の他に「女性活躍担当大臣」というポストまで新設したのですから、本当はもっと頑張って6人以上の女性を登用しても良かったのではないでしょうか。そうすれば「指導的地位の3割以上が女性となる社会を目指す」という言葉にもっと説得力がでたはずです。


今回の人事はどうしても「女性」がフォーカスされているので、男性陣の方がぼやけてしまっているような気がしますが、私は「年齢」に注目をしてみました。


女性閣僚を入れると、最年少の小渕経済産業相のお蔭で平均年齢が引き下げられますが、男性だけだと64歳です。
内閣発足当時の男性の平均が58.6歳だったのに対し、5、6歳も上がっています。


顔ぶれを見ると、やはり「年功序列(当選回数)」と「派閥構成」のしがらみに囚われた人事だったと言わざるを得ません。


私は昨日の閣僚人事の発表時、ドットジェイピーという団体で若年投票率の向上のために精力的なNPO活動を行っている大学生や職員と会っていました。
9月13日に開催される「未来国会」の決勝にゲストスピーカーとしての登壇依頼を受けていたのですが、その開催趣旨を聞いて賛同をしていた最中でした。


その趣旨とは、若者が30年後の国家ビジョンを考え、それを10年後の政策・予算案にまで落とし込み、若者を中心に未来を考えるというものでした。


失礼ですが、60代半ば以上の大臣の殆どは30年後にはもうこの世にいません。
私はやはり国会議員や大臣は、(全員とは言いませんが)日本の未来を自分自身のこととして考えて行動できる40代、50代が中心となるべきだと思うのです。



「実行実現内閣」と銘打つのであれば、尚更、30年後に向けた政策の実現まで現役でいることのできる人物を主力とすべきです。


三か月前に国会が佳境に突入する中、異論を押し切ってイタリアを訪問した安倍総理。その訪問理由が「イタリアの新しい、若い首相と会ってじっくり話をしたい」というものでした。
そのイタリアのレンツィ首相は39歳、閣僚16名の平均年齢は47.8歳(最年少は33歳)で、半数が女性という内閣。国民が、自分や自分の子供たちの未来を、若い政治家たちに託したのです。


もちろん、年齢や性別が全てだと言っているわけではありません。一番重要なのは実力です。しかし、結局は年功序列で、経験も専門性もない方が閣僚になっている場合が多い現状であれば、若い世代や女性を一定割合にするという方針には意味があります。


「いまの財政は本気でまずい、将来とんでもないことになる」と思うのであれば。
「このままの日本では本当に危険だ」と感じているならば。
これから同じ時代を一緒に何十年も歩むエージグループが中心となり、同じバランスのジェンダー(つまり女性が1/2)で日本の未来を考えた方がほうが、より真剣でフェアな議論を行うことができるはずです。