福島第1原発の汚染水対策の切り札とされてきた凍土壁。私はその有効性について当初から政府に対し問題点を指摘してきました。その問題が、ついに現実化してしまいました。




海側のトレンチに滞留する汚染水を遮断するための「氷の壁」が、作業開始から3か月以上を経過しても凍らないのです。




元々トンネル工事(雨水・防水)などの為に使われてきた工法。1500mの凍土壁を作るのは無理があります。また、建設コストが300億円だとしても、ランニングコストは「年間最低数十億円」(その多くが電力代)という回答もあれば十数億円との試算が後日示されるなど、無策での見切り発車。そしてプランB(バックアップ)も計画していませんでした。





私は科学者ではありません。しかし、経産省や電力村と関係を持っていない有識者と意見交換をし、現場を視察する ことによって、様々な問題点が見えてくるようになりました。





そして、大臣と直接交渉し、3月 の予算委員会 では安倍総理に対して、凍土壁以外にもキャナル方式を並行して検討していただきたいと提案しました。





国会議員や閣僚の仕事は国民のために、しがらみや利権を断ち切り、冷静・中立な立場で決断を下すことだと思います。




最初から予算確保のため、関係者の利益のために作られた今回の計画は無理がありました。






日本の政治の問題が凝縮されているのが福島の後処理の問題なのです。



今からでも遅くありません。

もう一度、汚染水対策を根本から見直し、本当に福島の、日本の未来だけを考えた施策に乗り換えるべきです。

安倍総理が発表した「アンダーコントロール」とは、我々はまだかなり遠い場所にいることを直視しなければなりません。