党が分裂することになり、日本維新の会に所属する62議員は6月5日までに橋下さんにつくか、石原さんにつくかを決めなければなりません。



1週間しか猶予がない中で答えを出さなくてはならない状況は、傍から見ていても大変そうです。一番辛いのは中間派の人達でしょう。



そもそも、なぜこんなに短い期間で決断をさせようとしているかと言うと、分党手続きに時間が掛かるからです。例えば事務手続き等に約3ヶ月掛かり、結論が6月中旬以降にずれ込んだ場合、正式に新党として活動が出来るのが9月になってしまいます。その後、結いの党と合流することとなれば10月・・・と、次の臨時国会に間に合わなくなってしまいます。



では何故、手続きを早める為に片方が離党する形式にしないのかというと、詳細は割愛させて頂きますが、離党組が国からお金(政党助成金)を一部もらえなくなってしまうからです(政治のゴタゴタの裏には必ず金の話が付いて回ります)。



また、大阪サイドにつこうと思っている人にとって悩ましいのは、実際に誰が自分の親分になるのかが明確ではないことかもしれません。



大分前から、橋下さんは国政から身を引いて、大阪都構想に集中したがっているとの話が聞こえてきています。現に、先日の記者会見でも新党の代表選に出るかどうかの問いには答えを濁らせています。仮に共同代表に留まったとしても、誰が国会議員団の代表になるかによって、党のスタンスは大きく変わってくるのです。



「政策で同意しているから変わらない」というのは少し無理があります。
何項目の政策に合意していようが、政治家のつくる政策には必ず遊び(あやふや/グレー)の部分があります。例えば「脱原発」という言葉を結いの党は使っていましたが、それを維新に合わせる為に「原発フェードアウト」という言葉に変えたことがあります。「フェードアウト」という言葉の定義はあいまいです。そのように、角度が10度異なれば、1年後には大きな違いになってしまいます。そして、その角度の調整は代表が行います。



結局、小さな政党は、CEOが誰なのかによって大きく変わるのです。

それは政党だけではなく、企業でも同じです。
歴史のある大企業であれば、社長が変わっても、方針転換するには時間と労力がかかります。幹部会や役員会を何度も経て、合議制で少しずつ変えるからです。



しかし、小さな会社の場合は、CEOの考えひとつで大きく変わります。合議制や、役員会と言っても、基本的にはトップの方針通りになる場合が殆どです。
逆に言うと、そのスピード感が無ければ、小さな組織は成り立たないのです。



つまり、少数政党の場合は誰が代表になるかの確証がないと議員にとっての最終的な決断は難しいのです。(私の考えと違いますが、それが現実です)



余計なことかもしれませんが、橋下さんが「自分が今後もCEOだ(代表選に出れば圧勝でしょうから)」、もしくは「自分は代表にはならない」と意思表明をしない限りは、中間派は悩みながら決断をすることになり、それは将来の遺恨にも繋がります。



もし表明が出来ないという事であれば、分党の数を共同代表や執行部だけで決めるのではなく、2つでも3つでも別れる自由を与える必要があるのかもしれません。