参議員経済産業委員会で ①東京ガス(株)の扇島工場/扇島パワーステーションと、②電源開発(株)の磯子火力発電所を視察させて頂きました。






埋め立て地である川崎市の扇島。円形枠の下にタンクがあります。

扇島には貯蔵量世界最大のLNG地下タンクがあります(20万~25万klが4基)。地下にあるということで、景観が損なわれず、安全性も高いものとなっております。

また、2基の合計出力が約80万kWの「ガスタービン・コンバインドサイクル」はガスタービンに加えて熱を使った蒸気タービンも回しているため、発電端効率が58%にもなります。









「東京ガス広瀬社長」



視察後は、現在国会で議論されている電事法の改正により「電力小売り」が自由化される見込みを踏まえて参入に向けてどのような取り組みをしているか、送電網が今後ライバルとなる東電が所有していることをどう考えているか、そして日本卸電力取引所の現状などについて質疑応答がありました。
私は2020年に向けた電力事業の中期目標についてと、再生可能エネルギーの取り組みについてお聞きしました(エネルギー基本計画に具体的な数値目標が少ないことなどから、中長期の目標設定に関しては決めあぐねているという印象を受けました)。





「Jパワー北村社長のプレゼン」



横浜市磯子区にあります電源開発(Jパワー)の火力発電所は、東京湾内にある唯一の石炭発電所です。蒸気圧力や温度を極限まで上昇させる超々臨界圧(USC)という方法で石炭が持つエネルギーを45%も電気に変える発電効率は、世界的に最も高い日本の石炭発電効率平均値41%を上回る高い数値となっています。また、化学メーカーなどと開発した装置により、窒素酸化物(NOx)や硫黄酸化物(SOx)といった有害物質をほとんど排出しないため、環境にも十分に配慮されており、世界で最高水準のクリーンな石炭火力発電所となっています。






「石炭が約600度で燃えています」




「一般的な石炭火力発電所で見られるような黒い煙は出ません」



石炭の問題はCO2を排出してしまうことです。
しかし、それも技術の進歩で、除去することが可能になってきています。後はコストの問題。
そして、コストは、そこに投下する資本が高ければ高いほど技術が飛躍的に進化し、削減されます。



現在、Jパワーは国策として始まったMixed Oxide燃料(二酸化ウランと二酸化プルトニウムを混合して焼き固めた混合酸化物核燃料)の大間原子力発電所を抱えていますが、最近の調査で世界の可採埋蔵量が8609億トン(約109年分)ということが判明している石炭技術に、資金と労力を投じた方が人類の為にもなるのではないでしょうか。



私が今回の視察で感じたのは、タイベックス(防護服)を着ないで、ガイガーカウンターを持たないで、緊張もしないで、発電所の中や、タービン間近まで視察に行けるありがたさ。
そのようなエネルギーを使うのが、本来あるべき姿なのだと思います。