DVDで「キャプテン・フィリップス」を観ました。
2009年に起こったマークス社の商業コンテナ船がソマリア人海賊によって襲われる事件を描いたものです。

俳優の演技力と、監督の細部にわたる拘り(例えば海軍特殊部隊には実際の元軍人を採用、船は弾丸の痕跡まで再現、デジタルではなく35mmのアナログカメラを使用)などにより、非常に緊迫感あふれるつくりになっています。最後まで目を離さず見てしまいました。

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日本の映画鑑賞者はこの作品を観てどのような感想を持ったのでしょうか。

2007年ごろから多発しはじめたソマリア沖での海賊事件を受け、日本船舶や日本人・日本貨物を運搬する外国船舶を警備するために海上警備行動の発令が2009年3月に行われました。

そして正しく映画のアラバマ号がハイジャックされる10日前に日本の護衛艦2隻(さみだれ&さざなみ)がオマーンに到着し、警備を始めています。その5日後には警護対象外の民間船舶から応援を要請され、初めて不審船と対峙しましたが、サーチライトを当て、LRAD(音響兵器)を使用した結果、相手が立ち去って事なきを得ました。

集団的自衛権を容認するにあたってはこれからも様々なシチュエーション想定して議論を進めなくてはいけませんが、平和な時代を生きてきた大半の今の国民(国会議員も含む)にとっては、そこが難しいのではないかと思っています。
私もその一人ですが、祖父が戦死し、父が満州育ちなので、当時の話を子供の頃からよく聞かされて育ちました。更に、40年前から諸外国訪問時(アフリカ在住時も含め)に何度も怖い経験をしています。若干ではあるかもしれませんが、普通に国内で育った方々よりは、少しイマジネーションを働かすことが出来るのかもしれません。

そういう経験が少ないと自負されている方々にも、キャプテン・フィリップスのような映画を観て色々と感じて頂き、それを元に自衛隊派海外遣事などについても考えて頂くことが大切なのではないかと思いました。

お勧めです。