3月27日、静岡地方裁判所は袴田巌さんの再審開始を認める決定をしました。

逮捕後約半世紀の48年間。袴田さんは 世界で最も長く収監された死刑囚となり、想像を絶する心的外傷を負うことになります。

ようやく訪れた自由の日々。まだ無罪と決まったわけではありませんが、まずは、再審が確定するまでのこれからの時間を少しでも平穏に過ごして頂きたいと思っております(釈放直後から車に同乗し、袴田さんが嘔吐しているシーンや、困惑している姿を何時間と撮り続けて放映した某ニュース番組には辟易しました。ぜひ、そのような報道は控えて頂きたいと思います)。

静岡地裁は、新たなDNA鑑定の結果を「無罪を言い渡すべき 明らかな証拠に該当する」とし、「捏造→冤罪」の可能性があるとしています。
それに対し、検察は再審そのものを阻止するため即時抗告しようとしているのが現状です。

検察は、法と正義の守り手として、また、「あたかも常に有罪 そのものを目的とし、より重い処分の実現自体を成果とみなすかのごとき姿勢となってはならない」という『検察の理念』に則って、「基本的人権の保障」と「事案の真相解明」のために即時抗告をせず 再審で正々堂々と戦うべきです。

袴田事件は、検察や警察だけでなくマスコミも袴田さんを犯人と決め付け、一方的な報道がされてきました。事件当時から家族は外にも出られない状況が続き、仕事にも困ったそうです。

今回の釈放は、そのような状況にあっても、家族が袴田さんを 信じ続け、真実の追及をあきらめなかったから実現したものです。

自分で考えること、諦めずに真実を探すことが極めて大切だと 改めて感じさせられました。検察や警察の言っていること、第4の権力とも言われ るマスコミが言っていること、それは本当なのか。我々国民は、それをチェックしていく必要があります。

袴田さんの再審についても、しっかりと見届けていきましょう。