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「キャナル形式の概略図」



(二)の福島原発・汚染水対策に関しては、以前から提案しているキャナル形式を、現在進行中の凍土壁実証試験と並行して行ってほしいと要求しました。
それは、現在の方式には問題点がいくつもあるからです(参照 閉会中審査(汚染水問題))。


400億円の費用を投じて壁を作った後に、効果が無かった(漏れが発生する可能性が低くありません)ということで別のプランに移行するより、最初からどちらがより有効かを比較したら良いのです。

残念ながら、その提案に関してもかたくなな態度が見られました。


そして、現在、国内外から集まっている780件の対策案(IRID)。
こちらも、オープンな場で検証し、本当に良いものは実験してみる事が必要です。


この汚染水でさえ完璧に処置できないのであれば、廃炉を完璧に行う事は夢のまた夢。


ぜひ、日本原発村の「内輪」だけで物事を決めて進めるのではなく、世界の知見を活用することに労を惜しまないで頂きたいと思います。


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「エネルギーコスト比較表」




(四)の原発は「安い」という神話は捨てて、エネルギーのベストミックスを考えるべきという点に関しては殆ど時間がありませんでしたが、比較表を元に質問をしました。
[(三)の「原発国有化」については、少し長くなるので、後日アップします]


現在、政府(コスト等検証委員会)で出している原発のコストは8.9円/kWh。


それは、原発の廃炉処理費用を680億円、事故のリスク対策費を5.8兆円等と甘く見積もって、現実からかけ離れた数値を元に算出されたものです。


公益財団法人である自然エネルギー財団は、海外の実績に基づき廃炉処理費用を2000億円、日本経済研究センターのデータに基づき事故のリスク対策費を20兆円等とする現実的な見積りを行い、原発コストを14.3~17.4円/kWhと計算しています。


福島第一原発事故の対策費は、今の段階ですでに9~10兆円を政府が見込んでいます。一向に進んでいない汚染水対策や、どこに潜んでいるかも分からないデブリ回収を考えると、20兆円という数字には真実味があります。


また、イギリス政府の例をみると、2023年稼働予定の二基の原発については35年にわたり約14円/kWhで買取る契約をしています。


そもそも8.9円“以上”という試算も不思議です。最低で幾ら掛かるだろうという説明だけで、最高で幾らになるか分かりませんよという感覚は民間の経営感覚では意味不明です。


よって総理には、「エネルギー基本計画には原発が「低廉」だから必要だと書かれていますが、安いという幻想を捨て、少なくともその記述を除いてもらいたい。現実と向き合う所から、計画を考えるべきだ」と要求をしました。


最後の質問だったので、安倍総理に答えて頂きたかったのですが、茂木大臣が横入りしての答弁となりました。


その内容は、あくまでも原発は安いという事を強調するもので、現実と向き合おうという姿勢が見えず、残念なものでした。


政府には、今の試算が甘かった(間違っていた)ことを素直に認め、公正に再試算を行って頂きたいと思います。そうすれば、原発が安いというのは幻想だったことが明らかとなり、原発は危険なうえに割高である、市場原理に反する、ということが分かると思います。

(原発国有化については後日アップします)