都内など各地で「アンネの日記」や関係する書籍が破られる事件が多発しています。その被害は、300冊を超えます。



ご存知の通り、「アンネの日記」は、ナチスからの迫害を逃れるために隠し部屋で暮らしていた家族の生活を、アンネ本人が日記として描いたものです。戦争やナチスによるホロコーストの悲惨さなどを伝えるものとして、世界記憶遺産にも選ばれています。その「アンネの日記」を破壊する行為は、人類の反省に対する挑戦であり、許されるものではありません。



しかしそんななか、ほっとするニュースがありましたので、紹介します。



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「プリキュア」からアンネの伝記 横浜の区役所に届く(朝日新聞2014年3月3日)

 


人気アニメ「スマイルプリキュア!」の主人公を名乗る人物から2日、横浜市神奈川区役所にアンネ・フランクの伝記3冊や文房具などが届いた。

 区内では先月25日、市立神奈川図書館で「アンネの日記」が1枚破られているのがみつかった。区はアンネ・フランクの本は同図書館に、それ以外の贈り物は児童養護施設の子どもたちに配りたい、としている。

 


区によると、2日午前10時ごろ、巡回していた区職員が1階正面入り口前に、紫色の紙袋を見つけた。中にはアンネ・フランクの伝記や文房具、ひなあられなど計34点が入っていた。「入園・入学おめでとうございます。みなさんの毎日が笑顔でありますように。キュアハッピー星空みゆき」という手紙が添えられていた。同名を名乗る人物から神奈川区への寄付は、昨年12月と今年1月にもあったという。


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調べてみたところ、被害に遭った各地でアンネの関連書籍の寄贈が相次いでいます。また、在日イスラエル大使館には、1000通を超える励ましや同情、謝罪の意を伝える電話やメール等が届いているとのこと。



日本で生活していると人種について意識することはあまりないかもしれませんが、世界的にみると人種差別や宗教問題は日常的に事件となっており、テロや戦争の発端となっています。
先日もCM問題をブログで取り上げて「日本が「思いやり」や「やさしさ」を前面に出して国際社会の見本になることを目指すのであれば、外国人の視点を理解して物事を見られるようにならければなりません」と書きました。一部のトラブルメーカーがいることをゼロにすることはできません。大切なのは、今回のように、その心無い行為を打ち消すほどの行動を日本人が示せるかどうかだと思います。