ソチでパラリンピックへの準備が粛々と進められています。


前回のバンクーバーオリンピックとパラリンピックのチケット売上数を比較すると、約149万枚と約23 万枚で、パラリンピックは1/6以下にしかなりません。


また、NHKでの放送計画も、ソチではオリンピックが合計539時間だったのに対し、パラリンピックは30時間程度と大きな差があります。



私は以前から「パラリンピックをオリンピックの前に開催するべきだ」と主張してきていますが、理由は大きく分けて二つあります。


一つは前に開催した方が、間違いなく盛り上がるからです。

ボクシングや格闘技を観に行ったことがある人なら分かると思いますが、メインイベントの前に必ず前座の試合があります。
(パラリンピアンの真剣勝負を前座とは失礼だと言う人もいるかもしれませんが、競技人口の差を考えて、そこはご理解頂ければと思います)



前座の試合は「前哨戦」として、かなり真剣に観戦されるものです。



しかし、メインイベントの後に8回戦の試合を持って来たら、見ないで帰ってしまうお客様も出てくるでしょう。



もう一つは、パラリンピアンや障碍者「ファースト」(最初に考える)の施設や体制作りをすることになるからです。オリンピックが終わってから1、2週間の やっつけ工事で良いものが出来るとは思えません。オペレーション・トレーニングも工事が終わってからでないと、完璧とは程遠いものになってしまう でしょう。



その件については国会で安倍総理にも提言をしました:
『パラリンピックという言葉が命名されたのは1964年の東京オリンピックです。私は、2020年の東京からもう一度、新しい形を模索するべき だと思います。2020年のパラリンピックを通じて、日本を障害者の皆さんにとって、世界で最もいきいきと生活できる国にしなければなりません。 それを具現化するために、私は2020年の東京から、パラリンピックを先に開催する大会にするべきだと思っています。それによって、意識が変わ り、まずは障害を持つ方々の目線で設備やオペレーション、そしてボランティアの流れを考えるようになり、街づくりも公共投資の在り方も、全てが変 わってくると思います。既にIOCに提示してあるスケジュールはありますが、安倍総理にリーダーシップを発揮して交渉して頂ければ、実現の可能性 は十分にあると思います』



残念ながら、良い返事は頂けませんでした。
IOCに提出しているスケジュールは、まだ確定では無く、やろうと思えば変えられるはずです。仮に駄目だったとしても、東京の主張がニュースになり、世界中に賛同者が増えれば、その次の大会から変わる可能性だってあります。



東京で開催される二回目の大会を、より意義深いものにするために、様々な提案を今後もしていきたいと思います。