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昨日、政府提出の「電気事業法改正案」が参議員の経済産業員会を通り、本日の本会議で可決されました。第183国会で提出され、廃案となり、約半年かかっての成立となったわけですが、みんなの党も「電力自由化推進法案」という対案を出し、今日まで闘ってきました。

この両法案は「電力改革と言う意味では似ている」と評されることが良くありますが、みんなの党案は目的に「脱原発」を入れ、発送電分離の最終ゴールを「所有権分離」に設定し、規制組織と運営機関を徹底した開示と中立化にあてるため、正しく真の自由化を目指したものであると言えます。
可決されたからと言って、諦めたわけではありません。
今後も「徹底した電力自由化の道は脱原発に繋がる」という2011年の原発事故直後から掲げる政策を実現するために、しっかりと監視を続け、事あるごとに法案を提出し、軌道修正を図っていきます。
考えてみれば、最初にこの政策を打ち出した時は、どの政党からも「何を夢みたいなことを言っているんだ」と批判されました。自由化を念頭に賠償支援機構法に反対した時は「避難民に対してどうやって賠償するんだ」とヤジを飛ばされました。
しかし、2年半経って、十分ではないにせよ、電力自由化の道へ歩み始めているのが現状です。
やはり、みんなの党の長期ビジョンが間違っていないことが証明されています。これからも皆様のご支援のもと、しっかりと我々の政策を推し進めてまいりたいと思います。


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昨日は「中立公正な競争環境を作るために」「真の自由化実現のために」を念頭に質問をさせて頂きました。お時間がある方は下記の質問・答弁(一部抜粋)をご覧ください。また参院TVでアーカイブ を見る事も出来ます。(開催日11月12日・発言者 松田公太を選択してください)


今回の法案は、主に広域的運用推進機関の設立について定めた本則と電力システム改革(発送電分離、電力売買の自由化等)の工程表定めた附則に分けることができます。


広域的運用推進機関というのは、災害等で電力が不足した際に全国的な電力融通の指示を出したり、平常時に全国レベルでの送配電網の整備や新電力の接続受付け等を担う機関です。ここが中立公正な組織にならなければ、結局9電力会社の既得権が維持されたままになってしまいます。


そこで、まず運用方針について尋ねました。法案上、全ての電気事業者はこの機関の会員になる必要があるのですが、議決権は1社1議決とならない可能性が高いのです。定款で定めれば、例外が認められるという抜け道が用意されているからです。以前の質問で、経済産業省が当然のように例外規定を用いようとしている姿勢が明らかになりました。
よって、昨日の質疑では、議決権の配分について、1社1議決権ではないにせよ、「一般電気事業者(9電力会社)」「卸電力会社」「新電力等」の各グループ間では少なくとも公平/平等になるよう調整するのか尋ねました。これに対する茂木大臣の答弁は、
「役員の選任・解任については国の認可を要するということになっています。その中で実質的なガバナンスの中立性をしっかりと保っていきたいと考えています。」とのこと。
実質的な中立性とは一体何なのか、そこが肝なはずです・・。


また、この機関を運用していく事務局の属性も重要です。天下りに利用されてしまっては官業の癒着につながります。天下りの防止措置やノーリターンルール(一度出向したら元の省庁には戻れないようにするルール)について尋ねました。これに対する経済産業省側の答弁は、
「具体的な職員構成あるいは官公庁からの出向につきましては、今後検討していくということで、未定でございます。」
「今後検討する」というのは、政府が追及を逃れるために使う常套手段。本法案が閣議決定されたのは、今年の4月。まったく検討が進んでいないとは思えませんので、言い逃れに聞こえます。


仮に広域的運用推進機関の中立性に疑いが生じた場合、この組織を監督指導する規制機関が重要となります。この規制機関についてどう考えているのか大臣に尋ねたところ、
同じように今後考えていくとの答弁。
検討中の事項があまりに多すぎます。
私は、独立性と中立性を高める意味で、原子力規制委員会のような「三条委員会」を検討するよう提言させていただきました。


次に、発送電分離について。政府案が法的分離までに留めているのに対して、みんなの党案は所有権分離まで推し進めようとしています。これは欧州の経験を参考にしているためです。というのも、欧州では2003年の第二次EU電力指令において法的分離を掲げましたが、首脳会議や欧州委員会で「それでは不十分である」という考えに至り、2009年の第三次電力指令で機能分離と法的分離に追加して所有権分離という選択を義務づけました。我々は電力自由化で先行する欧州から学ぶべきであると提言させて頂きました。


最後に、年内に素案のとりまとめが予定されているエネルギー基本計画について聞きました。これは、中長期的なエネルギー政策の方向性を示すものです。本当は使用済み核燃料の処分地について、いつまでに決めるのかきちんと明記すべきと提言したかったのですが、時間切れになってしまいました。何とか原発の新増設については盛り込まないようにと、大臣の考えだけは聞くことが出来たのですが、
「原発につきましては、現在、7原発14基につきまして安全申請が行われております。既存の原発の安全性の確認、これが最初のステップであると、新増設につきましては次のステップと考えております」と曖昧な回答でした・・。


ツイッターでもご紹介しました「東電と銀行の間で行われた融資から私募債への転換」に関する質問については、明日のブログで分かり易く書いてご説明したいと思います。