昨日の読売朝刊。「質問通告遅れ 官僚酷使」というタイトルで、国会議員が質問通告の時間を守らず、それによって官僚たちが困っているという記事が掲載されていました。




「翻弄されるのは官僚たちだ。翌日の国会で質問の可能性があれば、多くの職員は夜間も職場に待機する。質問があれば、翌朝までに答弁案を作成しなければならないからだ。」




「午後8時に質問がそろっていれば良い方。課員総出で午前3時ぐらいまで作業し、一睡もせずに5時や6時から閣僚への「ご説明」に入る事もある」




「質問通告の遅れは、税金の無駄遣いにもつながる」




国会議員(野党)が問題だという印象を付けるような内容になっていますが、その中で唯一私が例として以下のように取り上げられていました:


「ある課長級職員は、国会対応の実情を明かす。昨年6月15日、原子力規制委員会設置法案審議のため、参院本会議の質問に立つみんなの党松田公太氏の質問通告が当日になっても出てこなかった。関係省庁は幅広く答弁案を用意し、当日朝から国会内の一室に約30人を待機させた。本会議直前、松田氏から通告が出ると「大急ぎで文書を切り貼りしたり、手書きで補足したりして、野田首相(当時)に答弁案を届けた」(政府関係者)という」



「松田氏はブログで「午前8時50分の段階で、法案すらできていない。何を見て議論しろというのでしょうか」とぼやいた。」



この記事に目を通した読者は間違いなく「松田はとんでもない奴だ」「時間を守らない、悪い国会議員の中でも、一番悪いのは松田だ」という印象を持ってしまったでしょう。じっくり読み込めばブログの事にも言及しているから…と言えなくもありませんが、「ぼやいた」という括り方によって、むしろマイナス幅が大きくなっています。




確かに時間を平気で守らない議員は大勢います。しかし、私は質問通告の時間はまじめに守っている方です。調査などの時間が掛かって、100%とまでは行きませんが、遅れたのは上記で取り上げられた件以外、今までの質問回数約70回のうち2,3回だと記憶しています。それも、2,30分~1時間程度の遅れです。




そして、その問題とされている「本会議直前」まで出てこなかった質問通告も、「したくても出来なかった。」というのが事実です。


以下は、昨夜久々に書いた連続ツイートです。これを読んで頂ければ、なぜ私の質問通告が本会議直前になったのか、真相が分かります。




①今日の読売朝刊。「質問通告遅れ~官僚酷使。国会議員の多くに無視されているルール…」という記事に、「昨年6月15日…松田公太氏の質問通告が朝になっても出てこなかった。(それによって30人もの官僚が朝から待機させられた)」と、私が酷い国会議員の一例として上げられている。とんでもない




②急遽、民自公で作り上げた法案が、翌日の朝には審議もせずに本会議で可決される見込みのため、参院にも送られる可能性があると連絡が入ったのが14日の夜。法文も出来ていないと言われた。民自公の話し合いに一切加わっていないみんなの党は、状況すら分からない。質問など考えられるわけがない。




③結局、法案が出来上がって、私の手元に届いたのが15日のお昼前。その直後に私は本会議に立って、野田総理に質問をしなければいけなかった。こんな事は前代未聞。本当は「こんなの無理だ」とゴネることも出来た。しかし、議案は「原子力規制委員会」の設置法。大変に重要な課題。


④結局、登壇させて頂いた。私は揚げ足取り的な質問はしない方針なので、細かい、引っ掛けクイズは無しで、ストレートに大局的な質問をした。野田総理も、答弁書を読み上げる事は出来なかったので、普段ほどスムーズでは無かったが、しっかりと答えられていた。




⑤実は電話が鳴り止まないので、関係省庁にも、野田総理の側近にも、事前に「本会議場で恥をかかすためだけに、揚げ足取りのような事はしない。基本的な質問でいく」とだけは伝えた。側近の大臣は「分かりました。そのように伝えます」と。 それが当時、記事にもならなかった理由だと思う。




⑥それが何故今ごろ、あのように私が「悪い議員」の例として、重要な事は伏せられたまま、私に確認もせず、取り上げられるのか? 確かに私のブログにも言及してあるが、「ブログでぼやいた」と書かれているので、何のフォローにもなっていない。全体的な文脈からも悪意を感じる。




⑦今回のことで思い出したが、民自公があの法案を素早く必死に、前代未聞の本会議を開かせて国会を通したのは何故だったか?皆さんも覚えていると思うが、真剣に調査をしていた国会事故調の結論が出る2週間ほど前だった。何かうるさいことを言われる前に、規制庁を作ってしまいたいのがアリアリだった




⑧国会も消費税で延長になるのが分かっていたのに、「会期末だから急いでいる」と言い訳をしていた。結局、国会が閉じたのは6月21日から79日後の9月。十分、国会事故調の提言を取り入れ、ノーリターンルールなどについても審議できたはずだ。規制庁ももっと責任を明確にした組織になったはずだ。




⑨たらればはいけないが、汚染水の問題や遮水壁の問題など、もっと早く指摘され、前に進んでいたのではないか?東電や族議員にとって、もっと耳の痛い存在になっていたのではないか? 読売も、通告遅延なんかの記事を書くより、もっと本質的な、意味のあるものを書くようになって貰いたい。




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私は、この記事が出る前日、閉会中審査で自民党政権・政府にとって耳の痛い質問と指摘を多々行っています。あまりにも良いタイミングで驚きますが、その点は置いておいても、この記事は読者の印象を誤導するものと言わざるをえません。




読売の記事は、最近首を傾げざるを得ない、偏ったものが更に増えてきたような気がします。




ぜひ皆さんもリテラシーを高め、「?」な記事は鵜呑みにせず、情報の比較や検証を行っていただき、みんなの党や私のことで疑問があれば、直接聞いて頂ければと思います!