昨夜、松村克弥監督  (上田令子都議のお兄さん)の作品「天心」の試写会に行ってきました。



日本人が自国の素晴らしさを忘れ、西洋文化の真似ごとばかりをしていた頃、日本美術の保護に奔走していた岡倉天心(本名、覚三)。文科省の職員から東京美術学校の校長に抜擢されますが、西洋画派との対立で失脚してしまいます。


その後、新天地を求め、茨城県の五浦海岸という小さな漁村に「美術院」を立ち上げ、才能ある弟子たちと共に日本美術の創造に明け暮れます。



天心は若かりし頃、東洋美術史のアーネスト・フェノロサの元で働き、ボストン美術館の日本・中国美術部長にも抜擢されています。そのような経験があって、西洋美術を熟知していたからこそ、日本美術の良さも再認識することが出来たのでしょう。



また、美術だけではなく、茶道を紹介する「茶の本」を英語でも出版し、広く日本文化の啓もうに努めました。



日本文化の素晴らしさを日本人自身が理解し、その継承者を育て、海外にも発信していく。
これこそが真の「クールジャパン」です。
この発想が欠落しているので、私は今の表面的な、500億円以上もの税金を投じるだけのクール・ジャパン法(株式会社海外需要開拓支援機構法)に反対をしてきました。



ぜひ、日本の文化発信を再考する為に、皆さんにもこの映画を観て頂きたいと思います。
11月公開予定です。