瞬間最高視聴率30%と、今年の連ドラ最高視聴率を出している「半沢直樹」。
普段は一切ドラマを観ないのですが、私と同じ「1990年の都市銀行(メガバンク)入行」というキャラクター設定が気になって、先週と今週の第四話と第五話を観てみました。


国税とのやりとりや、探偵のような動きをするところなど(銀行員、特に融資課長は日中、監視されているぐらい自由に動けません)、少し実態とかけ離れているところはありますが、「あるある」とうなずいてしまう場面が多かったです。


面白かったのは支店内の「定例会議」。



融資の有無が支店長の独断で決まってしまうシーンを観て「あれは無いだろう」と思った方も多いかもしれませんが、(今は多少変わったかもしれませんが)結構リアルです。



同じA社に1億円の融資をする話でも、支店長に信用されているX主任が持ってきた案件なら通る、信用さていないY主任なら通らないということは普通にあります。
A社は担当者を選ぶことは出来ませんので、融資を受ける側からしたらとんでもない話かもしれませんが、それが実態なのです。



日本の銀行は担保主義、連帯保証人主義で貸付資産を増やしてきました。
そして、このアナログのような与信判断。
このような審査基準が日本の銀行を弱体化させてきた一つの要因だと思っています。
融資審査システムをイノベーションしないと、国際的にも弱体化していくことになるでしょう。



もし、半沢直樹が今も出向(天下り)せずに銀行員として生き残っているとしたら、そろそろ支店長か本部の審査役・部長になるころです。
金融緩和で大量に回って来たキャッシュを、はたして積極的な融資に生かす事は出来ているでしょうか。