菅元首相に離党勧告をし、鳩山元首相も離党前に遡って除籍にする方向の民主党。


「長老」の言動を巡ってのドタバタ劇は今に始まったことではありません。
少し意味合いは違いますが、従来から自民党の中でも力を固持した一部の元首相や元議員たちがフィクサーとして君臨し、政界を牛耳ってきました。
この見えない権力の二重構造は国民にとって非常に分かり辛く、政治の不信感を増幅する一つの要因になっています。


「老兵は死なず。ただ消えゆくのみ」
ダグラス・マッカーサ元帥の引退時のスピーチです。
しかし、これは本国のアメリカよりも日本で有名なフレーズとして残っています。


それは、長老問題は日本の方が切実だからではないでしょうか。
よく、この言葉を引退のスピーチに使う政治家や経営者が多いのですが、「だったら本当にそうしてくれ!」と願っている若手が多いかもしれませんね。


因みに、マッカーサ元帥のフレーズの元になった歌には様々な説があります。

There is an old cookhouse, far far away.
Where we get pork and beans, three times a day.
Beefsteak we never see, damn-all sugar for our tea
And we are gradually fading away.

Old soldiers never die,
Never die, never die,
Old soldiers never die
They just fade away.

Privates they love their beer, 'most every day.
Corporals, they love their stripes, that's what they say.
Sergeants they love to drill. Guess them bastards always will
(この作曲家不明の歌がオリジナルだと言われています)


この歌詞を見る限り、日本で受け止められているような美徳よりも、「単純に一兵士として消え去っていく」というシニカルな印象を受けます。


誰だって引退は嫌なものでしょう。しかし、それを自分で決断し、また、一兵卒のような態度で実現できる人が最も尊敬されるべき先輩なのかもしれません。