先日、自民党が71歳の山東昭子元参院副議長と佐々木洋平元衆院議員を参院選比例区で公認しました。自民党は、内規で「70歳定年制」を規定しています。今回の擁立は例外規定を適用したものだと説明していますが、実際にはルール変更を行ったようなものです。


会社であっても、取締役会の判断などで社内ルールを変更することは多々あります。すべてを逐一株主に説明するということはしないでしょう(定年制度変更の場合は確実にするでしょうが・・)。


ですが、政党は会社とは異なり、国民の税金が投入されている組織。2013年に自民党に配分される政党交付金は145億円にもなります。会社よりも寄付によって成り立つNPO法人に近い存在と言えるのではないでしょうか。


会社に投資する人は一般的には株高や配当によって利益があがれば満足です。しかし、寄付をする人にとっては、自分のお金が組織の目的に沿って有効に使われているかが重要なはず。政党も同じで、日本が良い方向に向かうのか、どのような人が国民を代表するのか、ということが極めて大事です。そうであるならば、いったん定めた候補者選定のルールを変更する際には、国民への明確な説明責任が生じるはずです。


自民党には、過去にも世襲候補を制限する方針を打ち出しながら、都道府県連の公募や予備選で党員の支持が得られれば公認するという制限の形骸化を行った前科があります。


こういった事態を防ぐためにも政党法が必要だと思いますが、まずはここにきて自民党の国民軽視の姿勢に憤りを覚えます。国会においても、その横暴さと既得権益優先主義が徐々に目立ちはじめていますが、参院選で大勝すれば、この傾向はますます進むでしょう。


都議選と参院選は、自民党の危険な傾向にくさびを打ち、見た目だけで済まそうとしている改革を推し進める事が出来るかどうかの戦いなのです。