月曜日に消化器系の内視鏡検査があった為、先週末の2日間は食事制限がありました。



大した制限ではなかったのですが「繊維が多い野菜×」「フルーツ×」「肉×」「脂が多く含まれるもの×」「乳製品×」など、色々と書いてある注意書通りに生活をするのは、外食が多い私にとっては一苦労でした。



ふと考えたのが、日々食事に気を付けながら過ごしている30万人以上の子供たちのこと。
親御さんたちにとっても大変な労力だと思いますが、食物アレルギーの子供たちの数は年々増えてきているそうです。
そして、思い出さずにはいられなかったのが、昨年12月に給食を食べてショック死をしてしまった小学生女児のこと。(どんなに苦しかった事でしょう。心からご冥福をお祈りいたします)
原因は学校(担任)が、おかわりの食材チェックを怠ってしまった事によるものでした。



日本と同様に食物アレルギーの子供たちが急増しているアメリカでは、様々な取り組みを行っています。
例えばランチタイムに給食を受け取った子供が指紋照合機に指を押すと、画面にその子のアレルギー一覧が表示され、その日の食材で問題が無いかをチェックしてくれます。



また、州によってはアナフィラキシーショックに応急的に使用できる「エピペン」を学校に常備し、教師たちに使い方の研修も行っています。



特筆すべきは“仮にエピペンで効果が出ず、子供が回復しなかった場合でも、使用した事の責任は負わされない”とのルールが決められていることです。それによって、万が一の時でも教師は躊躇せずに使用することが出来るのです。



少し別の議論になりますが、「食物負荷試験」を行うことで、子供を食物アレルギーの苦しみから解放できるという可能性もあります。
食物負荷試験とは、血液検査で一回陽性と出た食物でも、少しずつ医者の監視下で試してみて、ある程度なら食べても良いというレベルを測る事です。
しかし、残念ながら、日本では小児科医の約75%がそれを実施しておらず、普及する傾向も見えません。



その理由は、上記のエピペンの話に隠されていると思います。つまり、実施中に万が一のことが起こる可能性を考えると、危険は冒したくない、責任を負わされたくないと日本人はネガティブに考えてしまうのです。結局、組織として「前例がない事はやらない」というスタンスがある以上、このような取り組みはなかなか進まなくなってしまいます。本来ならば、医師と親との話し合い、そしてインフォームドコンセントによって乗り越えられる壁だと思うのですが。



新しい事を「面倒くさそう」「責任を取らされそう」と回避するのではなく、子供たちを苦しみから解放するという観点に立って、努力をするべきです。それができなかったとしたら、それこそが正に責任を負うべきことになってしまうのではないでしょうか。