昨日、千葉県新浦安にあった最後のハーゲンダッツ店舗が閉店しました。
1984年に1号店が青山に出来て人気を博し、最高で95店舗まで伸ばしました。
私も大学生の頃はよくお店に行き、列に並んだものです。



その後は卸売の比重を高め、コンビニやスーパーで購入できるようになり、店舗は減少の一路となりました。



ハーゲンダッツ・ジャパンによると、最初から店舗はブランド構築の為であり、周知された今となっては必要なくなったとのこと。確かに一理ありますし、実際、国内の高級アイスクリームの中でも高い売上比率を維持しています。



しかし、リアル店舗には「発信」の役割だけではなく、お客様のリアクションを即座にキャッチする「受信」の役目もあるのです。



どのようなテースト、ビジュアル、フィーリングをお客様が欲しているのか。トレンドの後追いだけでは無く、先行してバズを作るためにも、様々な反応を確認できる店舗は必要不可欠だと思います。



また、閉店の本当の理由は「不採算部門の閉鎖」であることは間違いないでしょう。ブランドビルディングの為だけであれば閉店の順序にもう少し明確な意図が見えたはずですし、最後まで維持すべきは都心にあるイメージ店舗だったはずです。そもそも、経営者は数字が全てなので、もし潤沢に利益が出ていれば、閉店するという選択肢は選びません。
赤字を黒字にする努力を続けるか、メリットとデメリットのどちらを選ぶか・・・を判断するのは時の経営者ですが、その効果は会社全体にボディーブローのように効いてきます。
現在はBen & Jerry’s(2012年7月19日ブログ :ちょうどブログ記事の真ん中あたりに日本展開の秘密について書いたところがあります) や Cold Stone Creameryのようなライバル企業が日本での店舗戦略を続けており、虎視眈々と次のコンビニ・スーパーでの主役の座を狙っている状況でもあります。



今回のハーゲンダッツの判断が成功だったか間違いだったかを知るのは2,3年後となるでしょう。