ヒトラーが開催したプロパガンダの為のベルリンオリンピック。
そこから、ナチス・ドイツは第二次世界大戦への道を突き進むことになります。


それ以降もオリンピックの政治的利用は問題となり続け、テロ事件なども頻繁に起こっていましたが、モスクワとロサンゼルスのボイコット問題(参照:7月29日ブログ「最初のオリンピック」 )を最後のピークとして、本来の趣旨である「世界平和を目的としたスポーツの祭典」に、少しずつですが、回帰しつつありました。


8月11日の土曜日に開催された二つの銅メダルを掛けた試合。男子サッカーと女子バレーの日韓戦は、多くの日本人と韓国人の関心を引き寄せていました。


その「韓国人のナショナリズムに火がついている」タイミングを狙ったのでしょう。前日の金曜日をわざわざ選んで、大統領として竹島に初上陸したのは。
対中国、対ロシアの領土問題で民主党の弱腰外交を見てきた李大統領は、いつの時点で上陸するのが一番目立つかとチャンスを伺っていたに違いありません。


そして、サッカーで日本を破って銅メダルを獲得した直後に朴鍾佑(パク・チョンウ)選手が掲げた「独島(竹島)は我々の領土」と書かれたプレート。これは、完全にオリンピックの「政治的利用はしない」という精神と五輪憲章を踏みにじる行為でした。


勿論ベースにあるのは、「教育」です。韓国では子どものころから学校で、日本との戦時中の問題や竹島についてなどの独自見解を多く教育されるので、自ずと日本に対する敵対心を持ちやすくなります。
しかし、今回朴選手があのような行動に出てしまったのは、このタイミングで竹島に上陸し、オリンピックを政治利用した李大統領に触発されたからだと言わざるを得ません。


私は、李明博さんを経営者出身の大統領としてシンパシーを感じていただけに、今回のことは大変残念でした。人気取りに焦ったが故、オリンピックで頑張った選手たちにとっては後味の悪い結果を作り出してしまったのです。一国のトップとして、自分の責任だという事をしっかり認識し、猛省して頂きたいと思います。


そして日本は、今回の事で世界が注目を寄せている機会を「ピンチがチャンス」とし、1965年以降提案をしていない国際司法裁判所への付託を推し進めるのも一考かも知れません。
とにかく、日本政府も何か行動をとらなければ、何も改善しないのです。
(書きながら、「今の民主党政権には無理だ!」という声が聞こえてきてしまいますが…)