野田総理が内閣改造を行いました。大臣といえば、会社でいうと取締役本部長にあたるポストです。そんな重要な役職に専門知識がない人をあててきた野田総理に私は疑問を呈してきました(過去のブログ記事参照 「経理・財務部長に渉外課長 」)。



しかし、今回の改造で、更にガッカリが続くこととなります。



例えば、辞任された自見さんの変わりに郵政改革・金融担当大臣になった国民新党の松下忠洋さん。建設省出身で、郵政再国営化だけを中心に唱えてきた方です。到底金融のスペシャリストとは言えない方に、ユーロ危機が続く激動の世界金融の中で、大事なポジションを任せられるとは思えません。



国土交通相に決まった羽田雄一郎さん。尖閣問題のとき、ビデオ公開に慎重な発言を繰り返していた方に海上保安を任せることは出来るのでしょうか。



また、農水相に決まった郡司彰さん。茨城の農協労連出身です。農業は日本にとって将来有望な成長分野。農協労連だから悪いとはいいませんが、TPPやFTAを通じて大胆な改革を推し進めなくてはいけない農水相に、特定団体の利益を代表する方がなってしまったのです。野田総理が掲げる貿易自由化の旗とは全く違う方向性。やはり、本当は、増税以外は興味が無いと言う野田総理の本心が垣間見えます。



大きな問題が二回続いた防衛大臣には、外交と安全のスペシャリストである森本敏さんが選ばれました。これは唯一サプライズ感のある人事かもしれませんが、一応自衛隊出身とは言え、現在は民間人。国の要である防衛省のトップに、自分の政党から知見を持つ人間を配属できないと言うのは情けない話です。会社で言うと、営業のトップをアウトソースするようなものなのです。



野田総理の考えは 「どうせ俺の内閣はあと数か月ってとこだし、民主党政権も1年しかもたない。だったら、順繰りで、まだなってない奴に大臣をやらせてやるか。増税以外は関係ないから、誰でもいいか。あ、でも、防衛省だけは少し考えないとマズイな」というところでしょうか。



民主党政権になってから、「大臣」という役職が非常に軽く、格好悪いものになったと感じるのは私だけでしょうか?これでは、益々官僚の言いなりにならざるを得ませんね。