皆さんは、つい1ヶ月前に、「日本の海」が広がったことをご存知ですか?




陸地から200海里までの海底を「大陸棚」といいます。そこは水産資源や鉱物資源を自由にとっていい「排他的経済水域(EEZ)」です。ところが、大陸棚の裾(縁辺部)が200海里を超えて延びている場合は、国連の大陸棚限界委員会に申請し、大陸棚として認めてもらうことが出来ます。国連の委員会の決定を大陸棚延長勧告といいますが、これによって海の領土が確定するのです。 



日本も2002年6月から申請準備を始めましたが、一気に話が進んだのは「大陸棚調査推進議員連盟」ができた2004年2月からです。この議連の初代幹事長は、他でもない、みんなの党の渡辺代表でした。政官財学のオールジャパンが一体となって調査を進め、なんと地球28周分をめぐって何億地点分もの水深調査をし、2008年11月、7つの海域について国連に申請したのです。



そして、今年の4月27日、そのうち6つについて大陸棚限界委員会の勧告が出ました。これで、「日本の海」が31万平方キロメートルも広がりました(国土の8割に匹敵する広さです!)。とりわけ、沖ノ鳥島を基点とする大陸棚延長が認められたことは喜ばしいことです。これまで中国および韓国が「沖ノ鳥島は島でなく岩である」と反論していたからです。



しかし、残る一つ、九州・パラオ海嶺南部海域については、まだ勧告が行われず先送りになっています。純粋に技術的な問題ということですが、その背景には、中国や韓国の猛烈な圧力もあるようです。私達は屈せずに、正しい事を堂々と主張し続け、日本の海をしっかりと守らなければなりません。



それにしても、日本の海は「宝」です。世界有数の漁場であるばかりでなく、メタンハイドレードや天然ガス、石油などの大埋蔵地帯であり、莫大な量のレアメタルや貴金属などが埋まっています。これらの資源はもうすぐ採算ベースで採掘できる可能性があります。大陸棚やその延長地域での資源調査がはじまったのは1995年頃。その当時、これだけたくさんの資源が海底で採れるなど、誰も想像していませんでしたが、わずか10年くらいの間にとんでもない量の資源が発見されたのです。これが採掘できれば、日本は世界有数の資源大国に躍り出ることになるでしょう。



暗い話題ばかりの昨今ですが、日本の未来に明るい希望の光が灯っています。再生可能エネルギーの技術革新も含め、前向きな方法と気持ちで日本を再生していきましょう!